2023年03月04日

[配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案] 2月24日、DV防止法改正案を閣議決定 精神的暴力でも裁判所が保護命令へ

[配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案] 2月24日、DV防止法改正案を閣議決定 精神的暴力でも裁判所が保護命令へ

DV防止法改正案を閣議決定 精神的暴力でも裁判所が保護命令へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230224/k10013989891000.html


2023年2月24日のNHKニュースより転載

DV=ドメスティックバイオレンスへの対策を強化するため、政府は身体的な暴力だけでなく、ことばや態度による精神的な暴力でも、裁判所が被害者に近づくことなどを禁止する「保護命令」を出せるようにするDV防止法の改正案を、24日の閣議で決定しました。

今のDV防止法では、身体に対する暴力によって生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きい場合にかぎり、裁判所が加害者に対し、被害者に近づくことなどを禁止する「保護命令」を出せるとしています。

改正案はこれに加え、生命や身体、それに自由や名誉、財産に対する脅迫により、精神的に重大な危害を受けるおそれが大きい場合でも、裁判所が「保護命令」を出せるようにしています。

例えば「部屋に閉じ込めるぞ」とか「裸の写真をばらまくぞ」などと脅されて精神的な苦痛を覚え、病院で治療を受けている場合などが新たに対象となります。

このほか改正案では「保護命令」の期間を、今の「6か月」から「1年」に延長するとともに、命令に違反した場合の罰則を、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」に引き上げるとしています。

さらに「保護命令」の1つとして、被害者の子どもへの電話を禁じることを新たに加えています。

政府は、今の国会で改正案の成立を目指すことにしています。

小倉少子化相「暴力防止と被害者保護を強化」

男女共同参画を担当する小倉少子化担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「被害の発生から生活再建まで、切れ目のない支援を可能とするべく、他の機関との連携を強化する仕組みも設けている。配偶者からの暴力の防止と被害者の保護を強化をするため、法案の成立に向けて努力をしていきたい」と述べました。



令和5年2月24日(金)定例閣議案件
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2023/kakugi-2023022401.html

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(決定)

(内閣府本府)



第211回 通常国会
https://www.cao.go.jp/houan/211/index.html

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案 令和5年2月24日

概要(PDF形式:287KB)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/211/211gaiyou.pdf

要綱(PDF形式:143KB)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/211/211youkou.pdf

法律案及び理由(PDF形式:181KB)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/211/211anbun.pdf

新旧対照表(PDF形式:256KB)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/211/211shinkyu.pdf

参照条文(PDF形式:274KB)
https://www.cao.go.jp/houan/pdf/211/211sansho.pdf


DV防止法改正案・概要.PNG
DV防止法改正案・概要



DV=ドメスティックバイオレンスへの対策を強化するため、政府は身体的な暴力だけでなく、ことばや態度による精神的な暴力でも、裁判所が被害者に近づくことなどを禁止する「保護命令」を出せるようにするDV防止法の改正案を、2月24日閣議決定した。

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(概要)

<1. 保護命令制度の拡充・保護命令違反の厳罰化>
(現行)保護命令とは、被害者からの申立てに基づき、裁判所が、相手配偶者に対して、被害者の身辺へのつきまといや住居等の付近のはいかい等の一定の行為を禁止する命令(下記)を発令する制度
・被害者への接近禁止命令(身辺へのつきまといや住居・勤務先等の付近のはいかいの禁止)
・同居する未成年の子/親族等への接近禁止命令
・被害者への電話等禁止命令(無言電話や緊急時以外の連続する電話・FAX・メール送信等の禁止)
・退去等命令(被害者と共に住む住居からの退去、住居付近のはいかいの禁止)
※口頭弁論又は相手配偶者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ発令できない原則を規定
@ 接近禁止命令等の申立てをすることができる被害者について、配偶者からの身体に対する暴力を受けた者、「生命又は身体」に対する加害の告知による脅迫を受けた者 に加えて、「自由、名誉又は財産」に対する加害の告知による脅迫を受けた者を追加
◆ 接近禁止命令の発令要件について、「更なる身体に対する暴力又は生命・身体・自由等に対する脅迫により心身に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」に拡大
(現行は「更なる身体に対する暴力により身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」)
A 接近禁止命令等の期間を6か月間から1年間に伸長
注:子への接近禁止命令・子への電話等禁止命令について、当該命令の要件を欠くに至った場合の取消し制度(接近禁止命令の発令後6か月以降等)を創設
B 電話等禁止命令の対象行為に、緊急時以外の連続した文書の送付・SNS等の送信、緊急時以外の深夜早朝(午後10時〜午前6時)のSNS等の送信、性的羞恥心を害する電磁的記録の送信、位置情報の無承諾取得を追加
C 被害者と同居する未成年の子への接近禁止命令の要件注1を満たす場合について、当該子への電話等禁止命令注2を創設
注1:被害者への接近禁止命令の要件のほか、被害者が当該子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があること、15歳以上の子についてはその同意があること 等
注2:対象行為は、監視の告知等、著しく粗野乱暴な言動、無言電話、緊急時以外の連続した電話・FAX・メール・SNS等送信、緊急時以外の深夜早朝の電話・FAX、汚物等の送付等、名誉を害する告知等、性的羞恥心を害する事項の告知等、位置情報の無承諾取得等
D 退去等命令の期間について、住居の所有者又は賃借人が被害者のみである場合には、申立てにより6か月(原則は2か月)とする特例を新設
E 保護命令違反の厳罰化
1年以下の懲役/100万円以下の罰金 → 2年以下の懲役/200万円以下の罰金
<2. 基本方針・都道府県基本計画の記載事項の拡充>
➢国が定める基本的な方針及び都道府県が定める基本的な計画について、
⑴ 被害者の自立支援のための施策注、
⑵ 国・地方公共団体・民間の団体の連携・協力 を必要的記載事項とする
注:「被害者の保護」に「被害者の自立を支援することを含む。」と規定することで対応
<3. 協議会の法定化>
➢関係機関等から構成される配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する協議会を法定化し、都道府県に協議会を組織する努力義務(市町村は「できる規定」)、情報交換の円滑化等を図るため、協議会の事務に関する守秘義務等を創設

※上記のほか、民事訴訟手続のIT化等を踏まえ、保護命令手続に係る所要の規定等を整備
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posted by hazuki at 15:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律・法案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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