新型コロナ感染対策など 旅館業法の改正案を閣議決定
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221007/k10013851541000.html
2022年10月7日のNHKニュースより転載
旅館やホテルなど宿泊施設の客が、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合に、検温などの感染対策に正当な理由なく応じなければ、施設側が宿泊を拒否できるようにすることなどを盛り込んだ旅館業法の改正案が、7日閣議決定されました。
宿泊施設の客について旅館業法では、感染症にかかっていることが明らかでないかぎり宿泊を拒否できないと定めていて、感染対策を求める規定も無いことから、他の客や従業員の健康や安全を守ることが難しいとして、一部の宿泊施設の団体から見直しを求める声があがっていました。
このため7日、閣議決定された改正案では発熱などの症状がある宿泊客については、感染していないかどうか施設側が報告を求めた際に拒否した場合や部屋での待機など感染対策に応じない場合は、宿泊を拒否できるとしています。また、症状がない客については検温や手の消毒などの感染対策に協力するよう要請できることが盛り込まれます。
対象となるのは、新型コロナウイルスのほか、エボラ出血熱など危険性の高い感染症で、国内で感染が発生している場合に限られます。
一方、平成15年には熊本県のホテルでハンセン病の元患者が宿泊を拒否される問題も起きていることから、感染症患者の不当な差別につながらないよう、施設側には従業員の研修を「努力義務」とすることにしています。
政府はこの改正案を今の臨時国会に提出し、成立を目指す方針です。
令和4年10月7日(金)定例閣議案件
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2022/kakugi-2022100701.html
新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案(決定)
(厚生労働省)
第210回国会(令和4年臨時会)提出法律案
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/208_00002.html
新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案(令和4年10月7日提出)
概要[PDF形式:484KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000904828.pdf
法律案要綱[PDF形式:99KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000904830.pdf
法律案案文・理由[PDF形式:110KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000904832.pdf
法律案新旧対照条文[PDF形式:134KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000904833.pdf
参照条文[PDF形式:225KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/000904835.pdf
旅館業法改正案・概要
旅館やホテルなど宿泊施設の客が、新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合に、検温などの感染対策に正当な理由なく応じなければ、施設側が宿泊を拒否できるようにすることなどを盛り込んだ旅館業法の改正案が、7日閣議決定された。
正式名称「新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。
改正の趣旨
新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るため、旅館業の営業者が新型インフルエンザ等感染症等の症状を呈している宿泊者等に対して感染防止対策への協力を求めることができることとし、当該求めに正当な理由なく応じない場合に宿泊を拒むことができることとするほか、事業譲渡に係る手続の整備等の措置を講ずる。
改正の概要
1. 旅館業の施設における感染症のまん延防止対策、差別防止の更なる徹底等(旅館業法)
(1)感染症のまん延防止の観点からの宿泊拒否事由の明確化等
@ 特定感染症(※)が国内で発生している期間に限り、旅館業の営業者は、
・特定感染症の症状を呈する宿泊者等に対し、特定感染症の感染防止に必要な協力や、特定感染症の患者に該当するかどうかの報告を求めることができることとし、正当な理由なくこれに応じないときは宿泊を拒むことができることとする。
・その他の宿泊者に対し、特定感染症の感染防止に必要な協力を求めることができることとし、正当な理由なく体温その他の健康状態等の確認の求めに応じないときは宿泊を拒むことができることとする。
(※)特定感染症:感染症法における一類感染症・二類感染症・新型インフルエンザ等感染症・新感染症及び指定感染症のうち入院等の規定が適用されるもの。
A 宿泊拒否事由(伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められるとき)を、「特定感染症の患者であるとき」と明確化する。
B 宿泊しようとする者が営業者に対し、その実施に伴う負担が過重であって他の宿泊者に対する宿泊に関するサービスの提供を著しく阻害するおそれのある要求を繰り返したときは、営業者は宿泊を拒むことができることとする。
(2)差別防止の更なる徹底
旅館業の営業者は、その施設における感染症のまん延防止対策の適切な実施や、高齢者、障害者等の特に配慮を要する宿泊者への適切な宿泊サービスの提供のため、その従業員に対して必要な研修の機会を与えるよう努めなければならないこととする。
2. 生活衛生関係営業等の事業譲渡による営業者の地位の承継(食品衛生法、 理容師法、 興行場法、旅館業法、公衆浴場法、クリーニング業法、美容師法、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律)
事業譲渡について、事業を譲り受けた者は、新たに許可の取得等を行うことなく、営業者の地位を承継することとする。 等
施行期日
公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日
旅館業法、食品衛生法、 理容師法、 興行場法、公衆浴場法、クリーニング業法、美容師法、食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律の束ね法案。
施行期日を公布の日から起算して6月を超えない範囲において政令で定める日としていることから、法案が成立したら、施行が早いと思われます。
参考
[旅館業法改正案] マスク着用しない客の宿泊拒否が可能に
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/491667924.html
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