【詳細】クアッド首脳会合終え 岸田首相が会見
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220524/k10013640901000.html
2022年5月24日のNHKニュースより転載
日米豪印4か国の枠組み、クアッドの首脳会合を終えた岸田総理大臣は記者会見しました。ロシアによる軍事侵攻が続く中、中国などを念頭に、力による一方的な現状変更をいかなる地域でも許してはならないという認識を共有したと強調し、4か国のさらなる連携強化を図る考えを示しました。
「法の支配や主権と領土の一体性など確認」
会見で岸田総理大臣は「ウクライナ情勢がインド太平洋地域に及ぼす影響について率直な議論を行い、インドも参加する形でウクライナでの悲惨な紛争について懸念を表明し、法の支配や、主権と領土の一体性などの原則は、いかなる地域でも守らなければならないことを確認した」と述べました。
また、覇権主義的行動を強める中国なども念頭に「東シナ海や南シナ海での一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念やミャンマー情勢への対応などについても議論を行った」と述べました。
さらに、核・ミサイル活動を活発化させる北朝鮮をめぐり、完全な非核化に向けた連携や拉致問題の即時解決の必要性で一致するとともに北朝鮮で新型コロナの感染が広がっていることを踏まえ、感染対策の地理的空白を作らないことについて議論したと明らかにしました。
「『自由で開かれたインド太平洋』実現に向け 連携強化」
一方、岸田総理大臣は「4か国の枠組みは『自由で開かれたインド太平洋』の実現のため、幅広い分野で実践的協力を進める場でもある」と述べました。
そのうえで、インフラ分野について、インド太平洋地域で、今後5年間で500億ドル以上の追加の支援や投資を目指すことや、宇宙分野の協力として4か国が保有する衛星情報を地域諸国に提供する取り組みを立ち上げたこと、自然災害に対応するため、人道支援や災害救援で連携を強化していくことなどを説明しました。
そして、岸田総理大臣は「ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす事態が発生する中で、力による一方的な現状変更をいかなる地域でも、とりわけインド太平洋地域で許してはならないことや、今こそ『自由で開かれたインド太平洋』が重要であり、実現に向けて力を尽くしていくことを、4か国の首脳が東京から発信できたことは極めて大きな意義がある」と述べました。
また、オーストラリアのアルバニージー首相から、来年の首脳会合をオーストラリアで開催したいと提案があったことを明らかにし「4か国の協力は幅広い分野に広がり、さまざまなレベルで日々深まっている。今後も『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向けた連携をいっそう強化していきたい」と述べました。
「一致したメッセージの発信 意味は大変大きい」
岸田総理大臣は「ウクライナ情勢をめぐり、インドを含めた4か国の首脳間で、法の支配や、主権や領土の一体性などの諸原則の重要性を再確認し、力による一方的な現状変更はいかなる地域でも許してはいけないという認識で一致した。4か国で立場の違いは少しずつあるが、世界に対して一致したメッセージを発することができた意味は大変大きい」と述べました。
そのうえで「今後も、日米豪印で、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた実践的な協力を進め、具体的な結果を積み重ねていきたい」と述べました。
「日豪での安全保障・防衛協力 極めて重要」
岸田総理大臣は「日本とオーストラリアは、基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーで、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、安全保障・防衛協力を推進していくことは極めて重要だ」と述べました。
一方、オーストラリアが、アメリカ、イギリスとともに創設した安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、「インド太平洋地域の平和と安定に資するもので、取り組みを支持する。わが国として今、AUKUSに入ることは考えていないが、参加している国々との間で連携を強化していく取り組みはしっかり進めていきたい」と述べました。
「IPEFに米印が参加していることは大きなポイント」
岸田総理大臣は、IPEF=(アイペフ)インド太平洋経済枠組みについて「RCEP=(アールセップ)地域的な包括的経済連携や、TPP=環太平洋パートナーシップ協定にはアメリカとインドが参加していないが、IPEFには両国が参加していることが大きなポイントだ。わが国はアメリカのTPP復帰が望ましいと思っており、働きかけを続けていく立場は変わらないが、それぞれの枠組みを活用することによって、インド太平洋地域の持続可能で包摂的な経済成長を実現する道を探っていきたい」と述べました。
岸田文雄首相
日米豪印4か国の枠組み、クアッドの首脳会合を終えた岸田総理大臣は記者会見した。
ロシアによる軍事侵攻が続く中、中国などを念頭に、力による一方的な現状変更をいかなる地域でも許してはならないという認識を共有したと強調し、4か国のさらなる連携強化を図る考えを示した。
岸田総理大臣は、IPEF=(アイペフ)インド太平洋経済枠組みについて「RCEPや、TPPにはアメリカとインドが参加していないが、IPEFには両国が参加していることが大きなポイントだ。わが国はアメリカのTPP復帰が望ましいと思っており、働きかけを続けていく立場は変わらないが、それぞれの枠組みを活用することによって、インド太平洋地域の持続可能で包摂的な経済成長を実現する道を探っていきたい」と述べた。
IPEFはどうなるのでしょう。
関連
日米豪印クアッド首脳会合終わる 協議の成果 共同声明で発表へ(NHKニュース2022年5月24日)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/488341262.html
ラベル:岸田文雄
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