スリランカ人を裁判受けさせず強制送還は憲法違反 東京高裁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210922/k10013271911000.html
2021年9月22日のNHKニュースより転載
難民申請を退けられたスリランカ人の男性2人が、決定を不服とする裁判を起こす時間を与えられずに、当時の入国管理局によって強制送還されたとして、国に賠償を求めた裁判で、東京高等裁判所は「憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害した」と指摘し、合わせて60万円の賠償を命じました。
訴えていたのは、日本で生活していたスリランカ人の40代と50代の男性2人です。
弁護団によりますと、2人は難民申請が認められなかったことについて東京入国管理局に異議を申し立てましたが、平成26年、入管から異議を退ける決定を告げられた半日余りあとに、集団でチャーター機に乗せられ、強制送還されたということです。
これについて、決定を不服とする裁判を起こす時間を与えられなかったとして、国に賠償を求め、1審の東京地方裁判所は、訴えを退けていました。
22日の2審の判決で、東京高等裁判所の平田豊裁判長は「入管の職員は、集団での強制送還を円滑に実施するために、決定を直前まで知らせず、裁判を受ける機会を奪った。憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害し、違法だ」と指摘し、国に合わせて60万円の慰謝料の支払いを命じました。
弁護団によりますと、強制送還をめぐって憲法違反とする判断は初めてとみられ、指宿昭一弁護士は「入管の対応についてさまざまな問題点が指摘されている中で、裁判所が憲法違反に踏み込んだことは、非常に大きな意味を持つ」と話しています。
出入国在留管理庁「適切に対応したい」
出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」とコメントしています。
難民申請を退けられたスリランカ人の男性2人が、決定を不服とする裁判を起こす時間を与えられずに、当時の入国管理局によって強制送還されたとして、国に賠償を求めた裁判。
2審で国が敗訴。
1審の東京地裁は、訴えを退けていた。
強制送還を巡って憲法違反とする判断は初めて。
今後、このような国に賠償を求める裁判が増えるかも知れない。
日本の入管は厳しいのです。
スリランカ人強制送還は「裁判受ける権利を侵害した」 逆転の「違憲」判決、国に賠償命ず
https://www.bengo4.com/c_16/n_13596/
2021年9月22日の弁護士ドットコムニュースの報道です。
「難民不認定処分の異議申し立て棄却を告げられた翌日に、チャーター機で強制送還されたため、憲法で保障された「裁判を受ける権利」を奪われたとして、スリランカ国籍の男性2人が国を相手取り起こしていた訴訟の控訴審判決が9月22日、東京高裁であった。
平田豊裁判長は憲法違反に当たると判断。翌日の強制送還は逃亡などを防ぐためなどとして請求を退けた一審判決を変更し、国に対して、男性たちに30万円ずつの賠償を命じる逆転判決を言い渡した。
この事案は2014年に外国人32人が強制送還されたもの。」
追記
スリランカ人の強制送還めぐる東京高裁判決 上川法相「外国人の人権 尊重する」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/483619299.html
今年6月、裁判を起こす時間を確保する為、本人に通知してから2ヶ月間は強制送還しないように運用を変更しています。
「殺される!」と叫び続けながら、2014年12月18日、チャーター便送還された難民申請者の映像(約5分)
https://www.youtube.com/watch?v=pJ7wPMWRwCE
ラベル:東京高裁
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