2020年11月13日

[種苗法の一部を改正する法律案] 11月12日、衆院農林水産委員会で種苗法改正案が審議入り⇒11月17日には採決の流れ

[種苗法の一部を改正する法律案] 11月12日、衆院農林水産委員会で種苗法改正案が審議入り⇒11月17日には採決の流れ

種苗法改正案「知的財産の新品種保護が農家ため」野上農相
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201112/k10012709021000.html


2020年11月12日のNHKニュースより転載

国内で新たに開発された種や苗木を海外へ無断で持ち出すことを規制する、種苗法の改正案について、衆議院の農林水産委員会で12日から質疑が始まり、野上農林水産大臣は「知的財産である新品種を保護することが農家のためになる」として法改正の意義を強調しました。

種苗法の改正案は、果物などの新しい品種の種や苗木が海外に流出するのを防ぐため、開発者が栽培地域を限定できるほか、農家が種や苗を増やす際に開発者の許諾が必要になることが盛り込まれています。

12日は衆議院の農林水産委員会で質疑が行われ、委員からは法改正の目的や高額な許諾料が設定されれば、農家の負担が増えることを指摘する質問が出されました。

これに対して野上農林水産大臣は「知的財産である新品種を保護することは農家のためになる」としたうえで、「多くの品種の開発者は、国の研究機関や都道府県なので許諾料が高額になるとは考えにくい」などと述べ、法改正の意義を強調しました。

また、12日は参考人質疑も行われ、コメ農家の横田修一さんは「新しい品種を開発した人の権利を守る環境を整えることは、農家にとってもプラスになる」と述べました。

一方、有機農業に取り組むNPO法人などでアドバイザーを務める印鑰智哉さんは「海外で品種の不正使用を止めるには、海外で品種の登録をすべきだ。種を増やす権利を奪う法改正はありえないと思う」と述べました。



衆議院インターネット審議中継
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=50841&media_type=

2020年11月12日 (木)
農林水産委員会 (5時間15分)

案件:
種苗法の一部を改正する法律案(201国会閣37)

発言者一覧
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
 高鳥修一(農林水産委員長)  9時 00分  01分
 武部新(自由民主党・無所属の会)  9時 00分  19分
 細田健一(自由民主党・無所属の会)  9時 19分  21分
 濱村進(公明党)  9時 40分  20分
 篠原孝(立憲民主党・社民・無所属)  10時 00分  41分
 宮川伸(立憲民主党・社民・無所属)  10時 41分  31分
 亀井亜紀子(立憲民主党・社民・無所属)  11時 12分  36分
 田村貴昭(日本共産党)  11時 48分  16分
 高鳥修一(農林水産委員長)  14時 30分  02分
 横田修一(参考人 有限会社横田農場代表取締役)  14時 32分  12分
 印鑰智哉(参考人 日本の種子を守る会アドバイザー NPO法人民間稲作研究所アドバイザー)  14時 44分  17分
 野中厚(自由民主党・無所属の会)  15時 01分  14分
 稲津久(公明党)  15時 15分  16分
 亀井亜紀子(立憲民主党・社民・無所属)  15時 31分  15分
 田村貴昭(日本共産党)  15時 46分  17分
 藤田文武(日本維新の会・無所属の会)  16時 03分  14分
 玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)  16時 17分  17分

答弁者等
大臣等(建制順):
 野上浩太郎(農林水産大臣)
 葉梨康弘(農林水産副大臣)
 池田道孝(農林水産大臣政務官)


野上浩太郎・種苗法改正案・衆院農林水産委員会・11月12日.PNG

亀井亜紀子・種苗法改正案・質疑・11月12日.PNG

田村貴昭・種苗法改正案・質疑・11月12日.PNG

横田修一(参考人)・種苗法改正案・11月12日.PNG

印鑰智哉(参考人)・種苗法改正案・11月12日.PNG



11月12日、衆院農林水産委員会。
種苗法の一部を改正する法律案(種苗法改正案)を議題とした。
野上浩太郎農林水産大臣による趣旨説明は省かれた。

野上浩太郎農林水産大臣による趣旨説明は、11月11日に聴取した。

衆議院インターネット審議中継
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=50817&media_type=

2020年11月11日 (水)
農林水産委員会 (4時間28分)

案件:
農林水産関係の基本施策に関する件
種苗法の一部を改正する法律案(201国会閣37)
参考人出頭要求に関する件

発言者一覧
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
 高鳥修一(農林水産委員長)  10時 00分  01分
 上杉謙太郎(自由民主党・無所属の会)  10時 01分  22分
 鈴木憲和(自由民主党・無所属の会)  10時 23分  19分
 稲津久(公明党)  10時 42分  21分
 串田誠一(日本維新の会・無所属の会)  11時 03分  25分
 佐々木隆博(立憲民主党・社民・無所属)  11時 28分  38分
 高鳥修一(農林水産委員長)  13時 00分  01分
 近藤和也(立憲民主党・社民・無所属)  13時 00分  44分
 金子恵美(立憲民主党・社民・無所属)  13時 44分  36分
 田村貴昭(日本共産党)  14時 20分  27分
 玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)  14時 47分  26分
 野上浩太郎(農林水産大臣)  15時 13分  03分

15時13分から3分間が野上浩太郎大臣による種苗法改正案の趣旨説明です。 

午前中3時間の対政府質疑、午後には参考人質疑というスケジュールで審議がなされた。

立憲民主党の亀井亜紀子氏の質疑。

過去に1回だけ審議された種子法復活法案が継続審議になっており、たなざらしになっていることを伝えた。
政府としては廃止になった種子法は復活する必要はないのかと思うが政府の考えは如何か?

野上大臣

種子法については昭和27年にイネ、麦、大豆などの主要な種子の生産普及をする観点から食糧増産に貢献して来たものと考えております。
そして、野上大臣は種子法が廃止された背景を述べて答弁を終わった。

亀井亜紀子

種子法を単なる食糧増産法とは思ってない。
米、麦、大豆、主要農産物の種子というのは公共の資産である。
種苗法だけでなく種子法も必要だという立場です。
種子法の代わりに種苗法で守って行くことになりますが、どうやって守って行くのか?

農林水産省

種苗法の第61条に基づく告示というものがある。
種苗の生産等に関する基準ということであるけれど、この中で種子の品質について、発芽率とか異品種りゅうの  だとか、様々な項目について、米、麦、大豆の種子の品質基準を定めています。
また、ほ場の隔離に関する事項なども定めている。
旧種子法の時代は、旧種子法の4条5項に基づく告示とルールとして定められていた。
種子法の廃止後は、種苗法の第61条第1項に基づく告示を改正をして、追加をした経緯がある。

亀井亜紀子

種子の開発については民間企業にそれを担ってもらう方向性に法律が変わって行っていると、私はみている。
何故かというと、農業競争力強化支援法の8条4項において、種子に関する知見を民間事業者への提供を推進することがあるので。
民間事業者に提供してくださいということですよね。
それで伺いたいのですが、優良な品種の海外流出を止める為に種苗法の改正があり、果たして自家増殖を禁止することが海外流出を止めることになるだろうかということが、他の委員が質疑されたのですけども、そもそも、農業競争力強化支援法8条4項で種子に関する知見を民間業者に渡しなさいとあって、この民間業者というのは外資系企業も含めますよね?
外資系企業にも色々な知見が渡ってしまうということではないでしょうか?

葉梨康弘(農林水産副大臣)

農業競争力強化支援法の第8条の規定ですが、民間に種子を売り渡すとかそういうことではございません。
民間にも種子の開発をやって頂こうということなのです。
知見が海外に流出した例はございません。

亀井亜紀子

今のところ、事例がないということですけども、あくまでも運用上の話であって、法律のところで民間事業者に知見を渡すことを推進している訳ですから、今後、どうなって行くのか分からないことだと思います。
ここに穴が開いていて、一方で種苗を海外に流出するのを法律で止めると言っているのは、非常に矛盾をしていると思います。
なので、私達は種子法復活法案の中に農業競争力強化支援法の8条4項を削除せよと入れているのは、そういう理由からです。
登録品種を自家増殖している農家が、今回の改正によって、どういうことになるのか不安に思っているのが多いので、事例を出して質問したいと思います。
いちごを例にしたいと思います。
私の地元、島根県安来市というところは、いちごの栽培が盛んでして、栽培しているものは紅ほっぺとあきひめ。
この2種類は静岡県の登録品種です。
全体の品種の中で、在来種が殆どだから、登録品種は少ないんだという論点がありますが、ブランドを推進している場合、その少ない登録品種を、その地域で中心的に、どの農家もその登録品種を栽培しているという例がありますので、全体の中で登録品種が少ないから大丈夫だという話ではないと思う。
(種苗をいくらで買うかという話になる。)
今、農家に誤解が広がっているという指摘が与党側からもありますけども、最大の農家の不安は許諾料がいくらになるかということと、もし、許諾が取れなかった時に (種苗の価格が高騰した話)  なるということは違うということを説明して頂きたい。

農林水産省

(いちごを例に種苗の話になる。自家増殖についての説明。)
法改正後も状況は変わらないと考えている。

亀井亜紀子

いちごというのは増殖を前提に栽培し販売するものなので、法改正後も変わらないと理解しましたが、値段は変わるのではないかという懸念はある。
(農水省の資料を参考に話す。)
どこにどの程度、掛かって、農協から種苗を買う農家に、どの程度の負担になるのか全く見えない。

農林水産省

(農水省の資料の例をもとに答弁。)
法律の施行後、許諾料が増えることはないと考えている。

亀井亜紀子

JAが負担する金額が、例えば、3年あたりに許諾料が 万円として発生する。
(例えば、)300円が上乗せされるのかどうか。

農林水産省

今現在で、100万円を払っている場合であれば、法施工後も同じ100万円だということになる。
許諾料は変わらないということになる。

亀井亜紀子

農家側の誤解があるのかも知れませんが、私が不安に思うのは権利が民間の企業に移ってしまった時、今までのように安価に増殖出来るようなことにはならないのではないだろうか、許諾料が上がって行くのではないだろうかという不安は、どうしても残る。
だから、今回の種苗法の改正は、直後には仮に影響がなかったとしても、将来的に登録品種も増え、民間が権利を所有する種子が増えるのではないかという不安が拭えないと私は思っている。
次に、自家増殖禁止と言っても、例外品目を何故、もうけなかったかということが大きな疑問です。
(有機栽培について意見を述べる。)
有機栽培も自家増殖は禁止ですよというのは矛盾してないか。

野上大臣

有機農業者でありましても、流出のリスクは変わらない為、自家増殖の例外とすることは適切でないと考えているが、有機栽培農業者については、従来から一般品種の割合が多い、9割が一般品種。
一般品種の需要が多い為、通常の農業者よりも影響は小さいと考えている。

亀井亜紀子

有機栽培は例外として外すべきと考えます。
(農水省の資料をもとに意見を述べる。)

立憲民主党の亀井亜紀子氏の質疑は以下、省略します。

共産党の田村貴昭氏の質疑。

種苗法改定断念を 田村貴昭議員 「海外流出防げない」 衆院委
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-11-13/2020111303_02_1.html

田村貴昭氏の質疑は赤旗をお読みください。

「種苗法改定案の審議が12日、衆院農水委員会で行われ、田村貴昭議員が問題点を追及。改定では国産品種の海外流出を防げないこと、農家の負担が増えることなどを指摘し、「今国会の成立を断念すべきだ」と主張しました。」

参考人質疑は横田修一氏(参考人 有限会社横田農場代表取締役)と印鑰智哉氏(参考人 日本の種子を守る会アドバイザー NPO法人民間稲作研究所アドバイザー)より意見を聴取して、自民党の野中厚氏、公明党の稲津久氏、立憲民主党の亀井亜紀子氏、共産党の田村貴昭氏、日本維新の会の藤田文武、国民民主党の玉木雄一郎氏が、それぞれ参考人に対して質疑を行った。

衆議院農林水産委員会種苗法改正法案参考人陳述
http://blog.rederio.jp/archives/5570

印鑰智哉氏(参考人 日本の種子を守る会アドバイザー NPO法人民間稲作研究所アドバイザー)は、参考人意見陳述をブログにまとめました。
印鑰智哉氏のブログをご覧ください。

午前中3時間の対政府質疑、午後には参考人質疑でトータル5時間15分の審議時間。
審議は十分ではないが、与党は11月17日に採決を行うと言っているようです。
自家増殖が許諾制になることの不安は拭えない。
赤旗からの引用になりますが、共産党の田村貴昭氏は「農家には国外へ持ち出さないよう説明すればよいことで、農家の自家増殖が海外流出の温床であるかのようなやり方はやめるべきだ」と強調しました。
11月17日は十分に審議して欲しい。
採決ありきはダメです。
種苗法の改正に反対せざるを得ない。

種苗法改定17日に委員会採決の動き 参考質疑で印鑰氏「世界に類例ない法改正」と指摘
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/19156

11月14日に長周新聞が種苗法改正案を報道しました。
お読みください。

第203回国会11月12日農林水産委員会ニュース
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/News/Honbun/nousui20320201112003.pdf/$File/nousui20320201112003.pdf

11月12日の衆議院農林水産委員会のニュースが公開されました。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_rchome.nsf/html/rchome/News/nousui20320201112003_m.htm

議事録は作成中です。

2020年11月12日(木)衆議院農林水産委員会
https://akikokamei.com/archives/3588

立憲民主党の亀井亜紀子氏がHPで、11月12日の衆院農林水産委員会に於ける種苗法改正案の質疑と参考人質疑の議事録を公開しました。
お読みください。




参考ツイート




【種苗法】参考人の意見陳述と質疑【全123分】11/12 衆院・農水委

https://www.youtube.com/watch?v=vYsEEwyRFi4&feature=youtu.be



参考

[種苗法の一部を改正する法律案] 11月12日、衆院農林水産委員会で種苗法改正案が審議入り 午前、質疑 午後、参考人質疑
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/478435006.html

[種苗法の一部を改正する法律案] 6月17日、衆院農林水産委員会で種苗法改正案が継続審議⇒同日、衆院本会議で種苗法改正案が継続審議
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/475666581.html

[種苗法の一部を改正する法律案] 5月22日、衆院農林水産委員会の自民党筆頭理事は種苗法改正案を「審議させて頂きたい」と主張 見送りの報道があるが与党は種苗法改正を諦めてない
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/475246685.html

[種苗法の一部を改正する法律案] 5月20日、与党が今国会での種苗法改正を見送り
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/475195473.html

[種苗法の一部を改正する法律案] 3月3日、果物種苗、流出防止強化へ 種苗法改正案を閣議決定、刑事罰も
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/473862330.html

[種苗法改正案] 新品種流出で刑事罰 通常国会で法改正へ 農水省検討会
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/473068468.html

[緊急拡散] パブリックコメント: 種苗法第2条第7項の規定に基づく重要な形質を定める件の一部を改正する告示案についての意見・情報の募集を農林水産省が募集! 12月11日締切!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455086782.html

[緊急拡散] パブリックコメント: 種苗法施行規則の一部を改正する省令案についての意見・情報の募集を農林水産省が募集! 12月11日締切!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455085549.html
ラベル:種苗法改正案
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