2019年07月14日

[ゲノム編集] 企業の種子支配批判 共産党の紙智子氏 新品種の登録可能に

[ゲノム編集] 企業の種子支配批判 共産党の紙智子氏 新品種の登録可能に

企業の種子支配批判 紙氏 新品種の登録可能に
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-07-04/2019070404_07_0.html
2019年7月4日(木)

 企業が地方自治体の種子の知見とゲノム編集技術を活用し新品種の開発や登録を行うことが可能となり、種子の企業支配が強まる恐れがあることが、6月11日の参院農林水産委員会での日本共産党の紙智子議員の追及で明らかになりました。

 紙氏は、農水省が、種子法廃止と同時に成立した農業競争力強化支援法にもとづき、都道府県が開発した種苗の知見を民間企業に提供するよう求めていると指摘。企業が都道府県から提供を受けた知見やゲノム編集技術を用いて開発した新しい品種を登録することは可能になるのかと質問しました。同省の塩川白良食料産業局長は、「品種の登録は可能」だと答えました。

 紙氏は、開発期間もコスト的にも効率よく品種改良できる企業による種子支配が強まるのではないかと質問。塩川局長も企業支配が強まる恐れを否定できませんでした。



参議院インターネット審議中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

2019年6月11日
農林水産委員会
約1時間39分

会議の経過
  農林水産委員会(第十五回)
   理事の補欠選任を行った。
   政府参考人の出席を求めることを決定した。
   ゲノム編集技術により得られた農林水産物等に関する件、株式会
   社農林漁業成長産業化支援機構の運営状況に関する件、棚田地域
   振興に関する件、林業の振興施策に関する件、水産資源管理に関
   する件等について吉川農林水産大臣、高野農林水産大臣政務官及
   び政府参考人に対し質疑を行った。
   棚田地域振興法案(衆第一七号)(衆議院提出)について提出者
   衆議院農林水産委員長武藤容治君から趣旨説明を聴いた後、可決
   した。

発言者一覧

堂故茂(農林水産委員長)
小川勝也(立憲民主党・民友会・希望の会)
森ゆうこ(国民民主党・新緑風会)
儀間光男(日本維新の会・希望の党)
紙智子(日本共産党)
武藤容治(衆議院農林水産委員長)


紙智子・ゲノム編集.PNG



企業が地方自治体の種子の知見とゲノム編集技術を活用し新品種の開発や登録を行うことが可能となり、種子の企業支配が強まる恐れがあることが、6月11日の参院農林水産委員会での共産党の紙智子氏の追及で明らかになった。

<第198回国会 農林水産委員会 2019年6月11日>
http://www.kami-tomoko.jp/sitsumon/198/190611.html

○紙智子君 そういうふうに説明されるんですけど、実際にはやっぱり守られていないということが現にあるんですね。だから、やっぱり厳しくやらないと本当にやっていけなくなるという、そういう現実があるんだということを、そうだそうだという声も出ているんですけど、厳しく是非これはやっていただきたいんですよ。
 大臣が許可する漁業というのは、沿岸漁業に対して極めて大きな影響を与えているんですね。沿岸漁業、漁村地域がやっぱり元気でなければ、地域そのものが大変なことになってしまうわけで、それから、今、マイワシとかサバの資源が回復しつつあるということも言われているわけですから、この大臣許可漁業の在り方も検討していただきたいと、そのことを求めておきたいと思います。
 次に、ゲノム作物、ゲノム食品についても聞いておきたいと思います。
 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会が、三月二十七日にゲノム編集技術を応用した食品の食品衛生法における取扱いの報告書をまとめました。今年の夏にも解禁されるという報道がされています。
 それで、ゲノム作物が認められれば、これ種子生産がどう変わるんだろうかというふうに思うんですね。主要な種子の扱いは、これ種子法が廃止をされました。農業競争力強化支援法によって、都道府県が開発した種苗の知見を民間企業に提供することになったわけです。そうすると、都道府県からこの知見の提供を受けた企業というのは、ゲノムの編集技術によって新しい品種を作り品種登録ということができることになるんじゃないかと思うんですけれども、そうなんでしょうか。

○政府参考人(農林水産省食料産業局長 塩川白良君) お答え申し上げます。
 植物の新品種につきましては、種苗法上、区分性、すなわち既に知られた他の品種と形状や耐病性等の特性が区分できること、それから均一性、同一世代で特性が全て均一であること、それから安定性、その品種の種苗を何世代増殖してもその特性の全部が安定して次世代に伝わることなどの要件を満たすものが品種登録を受けることができるとされているところでございます。
 他方、当該品種がいわゆるゲノム編集技術によって開発されたか否かを含めまして、どのような技術が育成過程で用いられたかについては品種登録の要件とはなっておらず、品種の登録は可能であると考えております。

○紙智子君 基本的には可能であるという答弁だったと思います。
 それで、企業は、都道府県が長年掛けて開発してきた品種を手に入れたら、ゲノム編集技術によって新しい品種を手に入れることができると。つまり、企業は、品種の開発期間もコストも短縮して非常に効率よく品種改良を行うことができるようになると。で、そういう企業の種子支配が強まる傾向が生まれるかもしれないというふうにも思うんですね。その辺、いかがでしょうか。そういう可能性もあるんじゃないかということですけれども。

○政府参考人(農林水産省食料産業局長 塩川白良君) さっき申し上げましたように、先生御指摘のように、競争力支援強化法では都道府県から民間事業者に対して知見を出していくということになってございますので、その一つとしてそのようなゲノム編集技術につきましてもあり得ないことではないと思いますが、これから、先ほど消費者庁も答弁されたように、そういうものを含めましてしっかり検討していくものだというふうに考えております。

○紙智子君 非常に不安もたくさんあります。
 それで、そもそもゲノム作物、ゲノム食品に対する国民の理解というのは余り広がっていないと思うんですね。開発者は、リスクはゼロでないというふうに言っていると。消費者の中に未知の食品への不安もあります。生態系への影響も懸念されていると。ヨーロッパでは、欧州司法裁判所が二〇一八年の七月に遺伝子組換えと同様に規制するという判断を下しているんですね。
 大臣、最後にお聞きしたいんですけれども、ゲノム編集作物あるいは食品の理解というのは、これ国民的に広がっているというふうに思われますか。

○国務大臣(農林水産大臣 吉川貴盛君) ゲノム編集技術で得られました農林水産物の規制上の取扱いについては、食品の安全性の観点からは食品衛生法を所管をする厚生労働省、生物多様性の観点からはカルタヘナ法を所管をする環境省において、それぞれの必要な措置を検討してきていると承知もいたしております。法律の対象外となるものにつきましても、使用に先立ち、食品の安全や生物多様性への影響など情報提供を受け国で公表するなど、一定の管理を行うこととされたと承知もいたしております。
 一方で、このゲノム編集技術につきましては、新規の技術でもあり、国民の理解を更に広め、深めていくことが重要であることから、農林水産省といたしましても、関係省庁と連携をして説明会などのリスクコミュニケーションを行うなど、正確な情報提供等に努めてまいりたいと思っております。もとより、食料の安全、安心の所管でもあります農林水産省でもございますので、しっかりと情報提供というのはやっておかなければならないと、このようには今の段階では申し上げさせていただきたいと思います。

○紙智子君 やはり国民の理解という点では広がっていないという認識だと思います。まだまだ分かっていないというように思います。そうである以上、やっぱり急ぎ過ぎず、ちゃんと国民的な議論が必要だと思いますので、そこをしっかりやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 もう時間になりますけど、棚田の問題は、先ほども森ゆうこ議員からも話がありまして、私もちょっといろいろやっている方に話を聞いたんですけれども、百選、棚田百選に選ばれている棚田でも先行きが非常に厳しい状況だという話がありました。
 やっぱり支えていく対策としては、本当に担い手がいないと。で、水管理が上流の方でできなければ、水流れてこないと棚田そのものはやっていけないということも含めて、やっぱり総合的な、本当に地域全体どうするのかという対策がなかったら、もう小手先では大変なんだと、もう棚田百選自身が大変だという話もありますので、そこはしっかりと強化していただけるようにということを申し上げて、質問を終わります。




参考

[ゲノム編集] ゲノム編集食品の表示 消費者庁「義務付け困難」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/467425383.html

[ゲノム編集] 受精卵「ゲノム編集」指針施行 生殖医療の基礎研究を容認
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/464925799.html

[ゲノム編集] 厚生労働省の食品衛生審議会遺伝子組換え食品等調査会にて、わずか4回の審議で2018年12月に報告書をまとめた
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/464806864.html

[ゲノム編集] ゲノム編集食品、夏にも 届け出制の実効性疑問も
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/464682517.html


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posted by hazuki at 08:24| Comment(0) | 共産党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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