改正漁業法が成立 企業の参入促す 漁業者との連携カギ
https://mainichi.jp/articles/20181208/k00/00m/040/151000c
毎日新聞2018年12月8日 19時27分(最終更新 12月8日 22時22分)
水産業の成長産業化を目指す改正漁業法が8日未明、参院本会議で可決、成立した。世界的に拡大する養殖業に企業参入を促すなど「70年ぶりの抜本改革」(安倍晋三首相)だが、漁業関係者は不安を訴えている。改革の実現には、利害が対立しがちな漁業関係者と企業の協力が欠かせない。漁業権を付与する都道府県には「企業の質」を見極める目が求められそうだ。
法改正は、乱獲などで天然魚の水揚げが減り困難を増す漁業経営が背景にある。補助金分を除くと7割の漁協が赤字に陥る中、養殖に活路を見いだしたものの、出荷まで2〜4年かかるサーモンやマグロの養殖を漁協単独で担うのは難しい。過去10年で漁業者が25%減の約15万人となり、養殖のいけすの総面積も4分の3に減るなど活用されない漁場が増える実態もある。
企業は現在、養殖に必要な漁業権を持つ漁協の傘下に入り、漁業権行使料などを払う必要がある。このため2年以内に施行される改正法は地元漁協などに優先的に漁業権を与える規定を廃止し、都道府県の裁量で企業も漁業権を得られるようにして主に養殖業で新規参入を促すのが柱だ。
しかし、宮城県塩釜市の漁師、赤間広志さん(69)は「漁業権は漁師のなりわいの原点だ。知事の独断でモラルのない企業に漁場を奪われるおそれがある」と警戒する。大手外資企業がわずか5年でブリ養殖から撤退した例もあり、「もうからなければ企業はすぐに撤退する」との不信感がある。
「改革は必要だ。漁業は廃れる一方で、企業の力も借りなければ浜を存続できない」。青森県の深浦漁協担当者は語る。2016年、ワカメ養殖をしていた漁場でより収益性の高いサーモン養殖を始めた。資本とノウハウを提供したのは海外でサーモン養殖に携わる魚卵加工、オカムラ食品工業(青森市)。県内の漁師ら7人を雇用し、直径20〜25メートルのいけす五つで最大2万6500匹を生産している。
地元漁師との利害調整を漁協に任せる企業が多い中、同社と漁協は「全員参加のまちづくり」を掲げ、町ぐるみで協議する場を設けた。目先の利益より長期的なビジョンを優先する仕組みだ。同社の岡村恒一社長(57)は「サラリーマンは漁船を操縦できずしけにも対応できない。地元漁師は即戦力だ。双方にメリットがあるが、これからは企業の質も問われる」と語る。【加藤明子】
鹿児島大の鳥居享司准教授(水産経済学)の話
国内市場は縮小しており、海外に販路を求めなければ水産業の展望は開けない。大手企業の資本や最新技術、販売力を生かせば、養殖は外貨獲得産業になりうる。マグロ養殖では雇用創出などで地元に貢献した企業が、当初反発した漁業者からも漁場を譲り受け、規模拡大を進めている。改革の結果、企業が漁協を脱退するなど力関係が変化する可能性はある。養殖には漁場提供だけでなく、いけすの周辺で消灯したり、波を立てずに航行したりするなど漁業者の協力が欠かせない。企業にも地元漁業者への配慮が求められる。
ことば・改正漁業法
漁業権を付与する際の優先順位規定を廃止する。カキやブリの養殖に必要な漁業権は地元漁協が最優先。地元漁協が権利を放棄した場合のみ企業が直接漁業権を得られた。改正法施行後は都道府県知事が「漁場を適切かつ有効に活用している」と判断すれば漁協に継続的に与えるが、それ以外は企業を含む「地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者」に付与する。知事が恣意(しい)的に運用する懸念が残るため、政府が判断基準のガイドラインを作成する。
参議院インターネット審議中継
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2018年12月7日
農林水産委員会
約24分
会議の経過
農林水産委員会(第七回)
漁業法等の一部を改正する等の法律案(閣法第八号)(衆議院送
付)について討論の後、可決した。
発言者一覧
堂故茂(農林水産委員長)
小川勝也(立憲民主党・民友会)
徳永エリ(国民民主党・新緑風会)
紙智子(日本共産党)
森ゆうこ(希望の会(自由・社民))
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2018年12月8日
本会議
約2時間55分
会議の経過
〇議事経過 今八日の本会議の議事経過は、次のとおりである。
開会 午前一時二十一分
日程第 一 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の
締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
日程第 二 日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的
パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件
(衆議院送付)
右の両件は、外交防衛委員長から委員会審査の経過及び結果の報告
があって、討論の後、押しボタン式投票をもって採決の結果、日程
第一は賛成一六七、反対七一にて承認することに決し、日程第二は
賛成二二三、反対一五にて承認することに決した。
日程第 三 地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙
等の期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
右の議案は、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長から
委員会審査の経過及び結果の報告があった後、押しボタン式投票を
もって採決の結果、賛成二三七、反対〇にて全会一致をもって可決
された。
日程第 四 食品表示法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
右の議案は、消費者問題に関する特別委員長から委員会審査の経過
及び結果の報告があった後、押しボタン式投票をもって採決の結
果、賛成二三八、反対〇にて全会一致をもって可決された。
日程第 五 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の
適正な流通の確保に関する法律案(衆議院提出)
日程第 六 研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の
強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律の一部
を改正する法律案(衆議院提出)
右の両案は、文教科学委員長から委員会審査の経過及び結果の報告
があった後、押しボタン式投票をもって採決の結果、日程第五は
賛成二三七、反対〇にて全会一致をもって可決、日程第六は賛成
二一五、反対二二にて可決された。
日程第 七 ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一
体的な推進に関する法律案(衆議院提出)
日程第 八 建築士法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
日程第 九 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案(衆議院
提出)
右の三案は、国土交通委員長から委員会審査の経過及び結果の報告
があった後、押しボタン式投票をもって採決の結果、賛成二三七、
反対〇にて全会一致をもって可決された。
日程第 十 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日
とする法律案(内閣提出、衆議院送付)
右の議案は、内閣委員長から委員会審査の経過及び結果の報告が
あった後、押しボタン式投票をもって採決の結果、賛成二一九、反
対一四にて可決された。
日程第十一 移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法
律の一部を改正する法律案(厚生労働委員長提出)
日程第十二 健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の
循環器病に係る対策に関する基本法案(厚生労働委員長
提出)
日程第十三 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必
要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合
的な推進に関する法律案(衆議院提出)
右の三案は、厚生労働委員長から日程第十一及び第十二については
趣旨説明、日程第十三については委員会審査の経過及び結果の報告
があった後、押しボタン式投票をもって採決の結果、賛成二三七、
反対〇にて全会一致をもって可決された。
日程第十四 漁業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議
院送付)
右の議案は、農林水産委員長から委員会審査の経過及び結果の報告
があって、討論の後、押しボタン式投票をもって採決の結果、賛成
一六五、反対七二にて可決された。
出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
右の議案は、日程に追加し、法務委員長から委員会審査の経過及び
結果の報告があって、討論の後、本院規則第百三十八条に基づく要
求により、記名投票をもって採決の結果、賛成一六一、反対七六に
て可決された。
散会 午前四時八分
発言者一覧
伊達忠一(参議院議長)
渡邉美樹(外交防衛委員長)
小西洋之(立憲民主党・民友会)
徳永エリ(国民民主党・新緑風会)
井上哲士(日本共産党)
渡辺猛之(政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長)
宮沢洋一(消費者問題に関する特別委員長)
上野通子(文教科学委員長)
羽田雄一郎(国土交通委員長)
石井正弘(内閣委員長)
石田昌宏(厚生労働委員長)
堂故茂(農林水産委員長)
風間直樹(立憲民主党・民友会)
大島九州男(国民民主党・新緑風会)
紙智子(日本共産党)
横山信一(法務委員長)
有田芳生(立憲民主党・民友会)
長谷川岳(自由民主党・国民の声)
大野元裕(国民民主党・新緑風会)
石井苗子(日本維新の会)
仁比聡平(日本共産党)
12月7日、参院本会議で「農林水産委員長 堂故茂君 解任決議案」が否決された。
12月7日、参院農林水産委員会が開かれた。
堂故茂(農林水産委員長)は、漁業法等改正案を議題としながら、質疑を終局して、1人3分の討論のみを認めた。
立憲民主党の小川勝也氏と自由党の森裕子氏は、採決になるとは思ってなかった為、原稿なしで反対討論を行った。
反対討論は立憲民主党の小川勝也氏、国民民主党の徳永エリ氏、共産党の紙智子氏、自由党の森裕子氏が行った。
自民党、公明党、日本維新の会の賛成討論はなかった。
森裕子氏は、「与党は賛成討論をやりなさいよ。自信がある法案なんでしょ。」と促した。
種子法廃止の時は、法案の中身を知らずに賛成に回った自民党議員がいる。
竹下前総務会長のことである。
他にも本当は反対なのに、賛成に回った自民党議員がいるのではないか。
種子法廃止の時と同じで、漁業法等改正案に賛成するのではないのか。
自信がある法案ならば、自民党、公明党、日本維新の会は賛成討論をすべきなのである。
反対討論の後、強行採決をし、自民党、公明党、日本維新の会の賛成多数で可決した。
12月8日、12月7日に「延会」となっていた参院本会議が開かれた。
漁業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付) 。
漁業法等改正案が議題となった。
堂故茂(農林水産委員長)の報告は可決。
立憲民主党の風間直樹氏、国民民主党の大島九州男氏、共産党の紙智子氏が反対討論を行った。
参院農林水産委員会では、僅か8時間45分の審議時間、審議日数2日だった。
漁業法等改正案の中身を知らない漁民は多かった。
浜が混乱し、漁業の民主化を削除する。
漁業法等改正案は、通常国会で議論すべき内容である。
せめて、継続審議にすべきである。
紙智子氏によると、地方から意見書が出ているとのことである。
反対討論の後、採決を行った。
採決の結果、賛成165、反対72にて可決された。
拙速な漁業法等改正案の成立である。
法改正は漁業の民主化に逆行する内容。
この法律について、「分からない」「知らない」が殆ど。
漁業法等改正案は漁業権の漁協・地元漁民優先を廃止し、知事による企業への直接免許制を導入するなど、企業の大幅参入を許し、沿岸漁業の在り方を根本から崩す内容となっている。
規制改革推進会議が農林水産省に丸投げした法案です。
漁業権が危ないのです。
[農林水産省] 5月24日、参院農林水産委員会で森林経営管理法案を可決⇒5月25日、参院本会議で可決・成立⇒6月1日、森林経営管理法を公布⇒平成31年4月1日に施行(附則第六条の規定は公布の日から施行)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/460197065.html
農業潰しの次は林業潰し。
林業潰しの次は漁業潰し。
安倍政権は第一次産業を潰すことで日本人を殺しにかかっています。
許せません。
漁業権の見直しで日本人の口にまともな魚が入らなくなる懸念。
漁業潰しの仕掛人は規制改革推進会議の議長代理の金丸恭文フューチャー会長。
漁業関係者が「反対」のシュプレヒコールを上げている模様です。
漁業の発展を阻害する。
外資系も入り易くなる。
漁業現場に大きな影響を与えることは必至。
このまま参院で成立していいのか?
79年ぶりの漁業法の改正ならば、もっと議論をすべきではなかったのか?
通常国会で議論すべき法案ではなかったのか?
与党と維新は漁業をリスペクトせよ。
第一次産業を衰退させるな。
漁業者置き去り 拙速
漁業法改悪案 漁民置き去り 浜は混乱
参考(衆議院インターネット審議中継)
2018年11月26日 (月)
農林水産委員会 (3時間28分)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48492&media_type=fp
2018年11月27日 (火)
農林水産委員会 (2時間35分)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48502&media_type=fp
参考資料(規制改革推進会議)
第1回水産ワーキング・グループ 議事次第
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/suishin/meeting/wg/suisan/20181029/agenda.html
参考
[漁業法等改正案] 12月4日、参院農林水産委員会で漁業法等改正案の審議入り⇒12月6日、参考人質疑と質疑⇒12月7日、参院本会議で農林水産委員長解任決議案
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/463098054.html
[漁業法等改正案] 11月30日、参院本会議で漁業法等改正案が審議入り 漁民置き去り 浜は混乱 共産党の紙智子議員が批判
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/463078257.html
[漁業法等改正案] 11月29日、漁業法等改正案が衆院本会議で可決 企業の新規参入容易に
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462995770.html
[漁業法等改正案] 11月28日、衆院農林水産委員会で漁業法等改正案(漁業法等の一部を改正する等の法律案)が可決
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462966185.html
[漁業法等改正案] 11月21日、衆院農林水産委員会で漁業法等改正案の趣旨説明⇒11月22日、野党欠席の中、漁業法等改正案が実質審議入り 11月27日か28日に法案採決へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462918300.html
[漁業法等改正案] 11月6日、漁業法等の一部を改正する等の法律案を閣議決定⇒11月15日、衆院本会議で漁業法等改正案が審議入り
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462808093.html
ラベル:漁業法等改正案
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