2018年12月03日

[日欧EPA] 11月29日、衆院本会議で日欧EPA承認案を可決 2月1日発効へ前進

[日欧EPA] 11月29日、衆院本会議で日欧EPA承認案を可決 2月1日発効へ前進

日欧EPA承認案を衆院可決 2月1日発効へ前進
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38333280Z21C18A1PP8000/
2018/11/29 17:00

日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の承認案が29日の衆院本会議で可決した。今国会で成立する見通しが強まり、日欧がめざす2019年2月1日の発効へ前進した。関税分野では農林水産品と鉱工業品を合わせ日本側が約94%、EU側が約99%撤廃する。日欧はそれぞれ米国との貿易交渉を抱える。早期に自由貿易圏を広げ、米国をけん制したい思惑がある。

日欧EPAは日欧が国内手続きを終えた翌々月の1日に発効する規定がある。国内手続きを完了するには日本の国会とEU議会の批准が必要だ。EUは12月中に議会で採決する方針だ。

安倍晋三首相は日欧EPAを「アベノミクスの成長戦略の重要な柱」と位置づける。17年の世界の国内総生産(GDP)の27.8%、世界貿易の36.9%を占め、世界で最大級の自由貿易圏となる。政府は実質GDPを約5兆円押し上げ、雇用を約29万人増加させると試算する。

日本と欧州は米国との貿易交渉を抱える。米欧は今年夏に「関税ゼロ・非関税障壁ゼロ・補助金ゼロ」を目指す貿易交渉に入ると合意し、今月中旬に閣僚級の通商協議を開いた。日米は年明けに物品貿易協定(TAG)交渉入りを控える。

米国は日欧に貿易不均衡の是正を求め、トランプ米大統領は自動車関税の引き上げをちらつかせている。日本と欧州は関税上げに反対の立場だが、トランプ氏と正面から争う構図は避けたい。同じ事情を抱える日欧は、EPAの早期発効で自由貿易圏を広げ、米国の自国優先主義に一定の歯止めをかける材料にしたいとの狙いがある。

日欧EPAの発効は日本の輸出企業や輸出に積極的な農家に恩恵がある。EUが日本の乗用車にかけている10%の関税は8年目に撤廃される。自動車部品は9割以上の関税が即時撤廃だ。牛肉、お茶、水産物などの農林水産品のほとんどのEU側の関税は即時撤廃になる。

日本の消費者は安くEU産のワインやチーズが買えるようになる。日本側は欧州産のワインにかける関税をゼロにする。欧州産のソフトチーズは低関税の輸入枠を作り、16年目に関税をなくす。コメは関税撤廃・削減の対象から除外する。



衆議院インターネット審議中継
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=48509&media_type=fp

2018年11月29日 (木)
本会議 (1時間14分)

案件:
漁業法等の一部を改正する等の法律案(197国会閣8)
経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件(197国会条1)
日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(197国会条2)

発言者一覧
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
 大島理森(衆議院議長)  13時 02分  01分
 武藤容治(農林水産委員長)  13時 02分  03分
 亀井亜紀子(立憲民主党・市民クラブ)  13時 05分  10分
 稲津久(公明党)  13時 15分  08分
 近藤和也(国民民主党・無所属クラブ)  13時 23分  10分
 森夏枝(日本維新の会)  13時 33分  03分
 金子恵美(無所属の会)  13時 36分  03分
 田村貴昭(日本共産党)  13時 39分  05分
 若宮健嗣(外務委員長)  13時 44分  02分
 石川香織(立憲民主党・市民クラブ)  13時 46分  10分
 杉本和巳(日本維新の会)  13時 56分  03分
 小熊慎司(国民民主党・無所属クラブ)  13時 59分  09分
 宮本徹(日本共産党)  14時 08分  05分


若宮健嗣(外務委員長).PNG

日欧EPA承認案・衆院本会議可決.PNG



日欧EPA承認案が11月29日の衆院本会議で可決した。
今国会で成立する見通しが強まり、日欧がめざす2019年2月1日の発効へ前進した。
11月29日の衆院本会議。
日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件(197国会条2)。
日欧EPA承認案が議題となった。
若宮健嗣(外務委員長)の報告は可決。
反対討論と賛成討論を行った。
日本維新の会の杉本和巳氏が賛成討論、立憲民主党の石川香織氏と国民民主党の小熊慎司氏、共産党の宮本徹氏が反対討論を行った。
討論の後、採決をし、賛成多数で可決した。
日欧EPAは農業、林業、水産業に深刻な影響を与えるにも関わらず、衆院外務委員会では僅か1回、4時間あまりの審議しか行われなかった。
日欧EPAはTPPを上回る譲歩をした。
市場開放の連鎖を認める内容。




参考

日欧EPA見据え「地理的表示(GI)」改正法案提出へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462417971.html



日欧EPAファクトシート1.PNG



閣議決定して国会に提出した日欧EPA関連法案は「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案」です。
地理的表示法改正案、地理的表示(GI)改正です。
例えば、「夕張メロン」はEUでGI(地理的表示)保護される。
11月20日、衆院農林水産委員会で可決した。
11月22日、衆院を通過し、参院に送られた。

日EU経済連携協定(EPA)に関するファクトシート(PDF)が2017年12月15日に更新された。

日EU経済連携協定(EPA)に関するファクトシート(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000270758.pdf

ルール分野の概要10. 政府調達。
14. 知的財産。知的財産で「地理的表示(GI)」に言及。
16. 貿易と持続可能な開発。貿易と持続可能な開発で「アジェンダ21」に言及。

政府調達に水などのインフラが盛り込まれた場合、松山市に参入しているヴェオリアの参入を視野に入れておく必要がある。

ラチェット条項に言及し、最恵国待遇やネガティブ・リスト方式にも言及している。
内国民待遇にも言及している。

アジェンダ21(Agenda 21)とは、1992年6月にブラジルのリオ・デ・ジャネイロ市で開催された地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)で採択された21世紀に向け持続可能な開発を実現するために各国および関係国際機関が実行すべき行動計画。

アジェンダ21」で検索すると良いでしょう。

TPPに含まれている毒素が日欧EPAにも含まれている。
日欧EPAは2019年2月1日の発効を目指す。
ISD条項を切り離して、年内の交渉妥結となった。
日本がISD条項の導入を求め、EUはISDによる仲裁では企業の利益が優先されるとの不安が域内に根強いことから、明確に拒否。
ISDによる仲裁では企業の利益が優先される。
ISD条項は国際資本が国家を鉄鎖に嵌めて事実上、独自の政策の実行や法律の制定が出来なくなる枠組み。
ISD条項は、日本の国内法では裁けない治外法権です。
米韓FTAでISD条項が発動して、韓国が米国から訴えられたことを見れば明らか。
日経新聞は昨年の7月18日にTPPの承認と日欧EPAの早期合意を催促していた。
米首都ワシントンのシンクタンク、CSIS(戦略国際問題研究所)と一体化している日経新聞の社説はジャパンハンドラーズの意向と見て良いでしょう。
日欧EPAもTPPと同じで、CSISの意向のようです。
日経新聞はCSISと合同でジャパンハンドラーズを招いたシンポジウムを開催したり「日経・CSISバーチャル・シンクタンク」というシンクタンクを設立している。
日経新聞の社説はCSISの意向。
TPPも日欧EPAもRCEPもFTAAPも全て本質は同じなので、「TPPはダメだが日欧EPAは良い」ということはない。
EPAは、Economic Partnership Agreementの略です。
始まりは、WTO(世界貿易機関)。
TPP合意が大きなきっかけとなり、EPAやRCEPの交渉を加速して行くと経済産業省。
JETROセミナーの英語のPDFの資料の作成者、渡邊頼純・慶應大学教授が日欧EPAの「政府調達」の項目(27分野に有り)に「ヴェオリア・ウォーター」を事例に挙げていることを覚えておきましょう。
チーズ、ワイン、自動車しかマスコミは報道しない。
インフラも狙いなので警戒しないといけない。
ヴェオリアは、水道事業で松山市に参入している。
水道民営化のヴェオリアです。
大筋合意を大枠合意と変えてまで合意した。
日欧EPAに合意して、国益が守り切れるか。
FTA/EPAというのは、WTOの補完である。
TPPは始まりに過ぎない。
2030年WTO再構築に向けた通商戦略工程表によると、TPP+RCEP=2020年 FTAAPへ。
FTAAPに吸収されたTPPとRCEP, 日欧EPA, TTIP, プルリ交渉(ITA 環境物品 TiSA etc)は、2020年:WTO新ラウンド立ち上げ、2030年:WTOに昇華する。
新世界秩序、人口削減を推進する世界統一政府、NWO(New World Order)樹立へ向けて動いている。

詳しくは、SDGsの記事を参考にして下さい。↓

SDGs(持続可能な開発目標)とWTOへ集約する自由貿易、地域貿易協定(RTA) スパゲティ・ボールは複雑な状態となりSDGsの推進を阻害する 2030アジェンダ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457517693.html

碌でもない、日欧EPAに反対します。

多角的自由貿易投資体制の再構築を求める
−TPPの先を見据えて−
(概要)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2015/050_gaiyo.pdf
2015年5月19日 経団連(PDF)


経団連工程表・WTO.PNG



参考資料(外務省)

日EU経済連携協定(EPA)に関するファクトシート(PDF)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000270758.pdf

日EU経済連携協定(EPA)交渉
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page6_000042.html

平成30年7月17日 日EU定期首脳協議等
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201807/17eu.html




参考資料(首相官邸)

平成29年12月8日 ユンカー欧州委員会委員長との電話会談についての会見
http://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201712/08kaiken2.html




参考資料(日経新聞)

まず日欧EPAとTPPに集中せよ
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO04973530Y6A710C1PE8000/
2016/7/18 3:30

日経・CSISバーチャル・シンクタンク
http://www.csis-nikkei.com/

日経・CSISバーチャル・シンクタンクとは
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGH0400F_U2A600C1M13000/
2012/6/9付  日本経済新聞 電子版




参考

[日欧EPA] 11月22日、日欧EPA関連法案(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案)を衆院本会議で可決
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462875172.html

[日欧EPA] 11月14日、日欧EPA関連法案を衆院農林水産委員会で趣旨説明⇒11月20日、衆院農林水産委員会で審議入り 起立総員にて可決
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462871914.html

[日欧EPA] 11月20日、日欧EPA承認案が衆院本会議で審議入り 乳製品に影響懸念 従来答弁繰り返す
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462871135.html

[日欧EPA] 11月5日、欧州議会委が可決 2019年春発効へ前進
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462627660.html

[日欧EPA] 11月6日、日欧EPA承認案と日欧EPA関連法案を閣議決定 2019年2月の発効をめざす
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462612885.html

[日EU首脳会談] 日欧EPA早期発効へ努力 安倍首相とユンカーEU委員長
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/462269280.html

[日欧EPA] 日欧、経済連携協定に署名 世界最大級の自由貿易圏誕生
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/460571745.html

[日欧EPA] 菅義偉官房長官、日欧EPA署名式開催を発表 「アベノミクスの新たなエンジン」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/460521024.html

{日欧EPA] 安倍首相、日欧EPA署名へ 7月中旬、欧州中東歴訪
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/460099629.html

[日欧EPA] 日欧EPA来春発効へ 7月首脳協議で署名
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/458893461.html

[日欧EPA] GI(地理的表示)保護最終合意 日48、欧71産品 相互対象
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455613223.html

日欧EPA交渉妥結を確認 懸案の紛争解決手続き(ISD条項)は別協定に分離し協議継続
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455435148.html

日欧EPA、2019年発効可能 ルクセンブルクのアッセルボルン外相「(投資紛争の解決手続き(ISD条項)は最終)合意に含まれないもようだ」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455195317.html

著作権は70年保護 日欧EPA、外務省4カ月遅れの公表
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455170802.html

日欧EPA対策を決定 安倍首相、農業強化へ予算指示 TPP含み3千億円規模
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/455108375.html

日欧EPA、年内の最終合意目指す 河野太郎外相、欧州委員と一致
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/454930035.html

[日欧EPA] 年内の最終合意目指し交渉加速 東京で首席会合 紛争解決手続き(ISD条項の導入を巡り対立)  関税分野などを先行させる「暫定発効」案も浮上
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/454166090.html

[緊急拡散] パブリックコメント: [日欧EPA] 「日EU・EPA交渉を通じた地理的表示の保護」に対する意見を国税庁が募集! 10月12日締切!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/453831482.html

[日欧EPA] 紛争解決手続き難航 年内最終合意不透明に 日本はISD条項を盛り込みたい考え
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/453179686.html

[日欧EPA] 秋に日欧EPA総合対策 安倍首相「生産者安心に万全」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451808283.html

[日欧EPA] JETROセミナーの英語のPDFの資料の作成者は渡邊頼純・慶應大学教授! 日欧EPA, FTA, RCEP, FTAAP WTO等自由貿易協定のキーパーソンか? 「日本のFTA・EPA戦略」を語る!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451654245.html

[日欧EPA] JETROセミナー(日EU経済連携協定)の英語のPDFの資料に「ヴェオリア・ウォーター」の名前! 「政府調達」の項目(27分野に有り)! 水などのインフラも狙い! マスコミは報道せず!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451608277.html

日欧EPA、2019年発効 首脳、大枠合意を宣言
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451576953.html

日欧EPA、大枠合意へ チーズ一部関税15年で撤廃 関税撤廃95%超に TPPと同水準
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451543376.html

[日欧EPA] 車やチーズの関税、依然平行線 7月6日の首脳会談の大枠合意を目指す
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451427933.html

重要品目の国境措置確保を 日欧EPAで自民、岸田外相に申し入れ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451232028.html

日欧EPA、日本側が関税9割超を撤廃の方向 EU側も極めて高い割合で撤廃する見通し
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/451200231.html
ラベル:日欧EPA
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posted by hazuki at 18:30| Comment(0) | EPA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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