米輸入制限23日発動 政府、除外要請を強化「粘り強く協議」
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180314/mcb1803140614027-n1.htm
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180314/mcb1803140614027-n2.htm
2018.3.14 06:14
世耕弘成経済産業相は13日、閣議後の記者会見で、米国が発動を決めた鉄鋼とアルミニウムの輸入制限について「対象から除外されることを働きかける」と述べ、輸入制限が発動される23日が迫る中、適用除外に向けた要請を強化する方針を改めて示した。適用除外にならなかった場合、世界貿易機関(WTO)への提訴も選択肢に入るが、日本はあくまでも対抗措置は避けたい考えで、対応に苦慮している。
安保悪影響を強調
米国は交渉次第で、輸入制限の対象外とする意向を示している。既にトランプ米大統領はカナダとメキシコのほか、オーストラリアを適用除外とすることを明らかにした。
日本はまず、米側が近く公表する見通しの「製品別」の適用除外手続きに沿って交渉する。日本製の鉄鋼製品は強度などに優れ、自動車向けの線材や油田のパイプライン向け鋼管などは日本製でないと難しいとされる。米国メーカーが作れない製品に関税をかければ、米国の需要家の競争力に悪影響を及ぼしかねないことを、日本の鉄鋼メーカーとも連携して訴える。
それと並行し、「同盟国である日本からの鉄鋼やアルミの輸入は米国の安全保障に影響を与えない」(世耕氏)とも説明し、日本を国単位で適用除外とすることも働きかける方針だ。
米国が輸入制限に踏み切った場合、欧州連合(EU)は、報復関税を課すことやWTOに訴えることを表明。中国商務省は「断固として反対する」との談話を発表し、対抗措置も辞さない構えだ。
WTO提訴も選択肢
日本政府も米国との交渉が不調に終わった場合、WTOへの提訴も排除していない。だが、現実的には「一方的措置の応酬は、どの国の利益にもならない」(世耕氏)とし、できる限りWTOへの提訴も含め、EUや中国などが検討する報復措置は避けたいようだ。
日本政府が最も恐れるのは、各国が緊急輸入制限(セーフガード)を発動するなど、雪崩を打って米国への対抗措置に動くことだ。経産省の首脳は「自由貿易の崩壊の始まりになるのが怖い」と憂慮する。貿易量が縮小すれば、世界的な景気悪化につながりかねないからだ。
日本政府は緊密な日米同盟を背景に対話を重視。「仮に輸入制限が23日に発動しても、当面は適用除外を求め、粘り強く米国と協議していく」(経産省幹部)構えだ。(大柳聡庸)
トランプが鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品には10%の関税をそれぞれ課すと述べた問題。
世耕弘成経済産業相は、3月9日から11日の日程で、ベルギー・ブラッセルに出張。
ベルギーでは、現地時間の3月10日に、米国のライトハイザーUSTR代表、EUのマルムストローム欧州委員と個別に会談を行うと共に、第2回となる日米欧三極貿易大臣会合に出席した。
ライトハイザー代表とは、232条(米通商拡大法232条)に関して、遺憾の意を伝えると共に、同盟国である日本の鉄鋼・アルミが米国の安全保障に悪影響を与えることはなく、米国の産業や雇用にも多大な貢献をしていることを説明し、対象からの除外を働きかけた。
世耕弘成は米国のライトハイザー通商代表と会談し、日本を除外するよう求めた。
しかし、具体的な回答は得られず、「今後も精力的に働き掛けていく」と述べた。
産経新聞でも、ベルギーから帰国した世耕弘成の会見が取り上げられた。
世耕弘成は、13日、「対象から除外されることを働きかける」と述べた。
適用除外にならなかった場合、世界貿易機関(WTO)への提訴も選択肢に入るが、日本はあくまでも対抗措置は避けたい考え。
日本政府が最も恐れるのは、各国が緊急輸入制限(セーフガード)を発動するなど、雪崩を打って米国への対抗措置に動くこと。
世耕弘成は、ベルギーに何をしに行ったのですかね。
役立たず。
EUのマルムストローム欧州委員のように、報復関税を課すことWTOに訴えることはしないだろう。
WTO提訴は避けたい世耕弘成。
トランプがオーストラリアを適用除外にしたのは、オーストラリアは米国が最も大きな貿易黒字を抱える国の一つで、貿易赤字を敵視するトランプにとって通商面での不満は大きくないとみられるから。
米国は2017年にオーストラリアに対して146億ドルの貿易黒字を計上した。
トランプは、8日、貿易と軍事で譲歩した国を適用除外とする方針を示した。
貿易赤字削減で各国の譲歩を引き出したいトランプ。
トランプ氏は10日「対日貿易赤字は1千億ドルと巨額だ。不公正で持続的ではない」と批判した。
米商務省の統計では対日貿易赤字は688億ドル。
安倍首相との電話協議で貿易赤字の削減について議論したとも明かし「(日本とは)すべてうまくいくだろう!」とも語ったという。
トランプ氏、日欧に強硬姿勢 貿易赤字に不満
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2798177011032018FF8000/
貿易赤字削減で日本が米国に譲歩しなければ、適用除外は難しいと思われます。
トランプと安倍首相の電話協議の内容はどんなものだったのか。
日本は適用除外にならずに、輸入制限が発動するかも知れません。
ムニューシン財務長官の「カナダ、メキシコ以外に適用除外になる国が幾つかあるかもしれない」と指摘したことが気になります。
参考資料
世耕経済産業大臣がベルギー王国へ出張しました
http://www.meti.go.jp/press/2017/03/20180311001/20180311001.html
経産相、日米欧貿易相会合へ 米輸入制限はWTOの枠組で対応
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/business/2018/03/209434.php?t=0
米通商拡大法232条
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018030200278&g=tha
鉄鋼過剰生産問題を協議するグローバル・フォーラムがスタート(USTR、EU)
http://www.kanzei.or.jp/topic/international/2017/for20170105_2.htm
参考
[米輸入制限] 世耕弘成経済産業相がライトハイザーUSTR代表に除外要請も「回答なし」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457905873.html
[米輸入制限] ウィルバー・ロス商務長官、全ての国に適用見通し⇒トランプ大統領、カナダ、メキシコ、オーストラリアを適用除外にする意向を表明 3月23日、輸入制限発動
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457888596.html
[トランプ政権の輸入制限発動表明] 世耕弘成経産相と河野太郎外相が反論⇒ホワイトハウス高官、関税対象国に「例外なし」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457383942.html
世耕弘成経産相「米安全保障に影響ない」、トランプ政権の輸入制限発動表明で
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457365043.html
トランプ政権、鉄鋼とアルミニウムに追加関税へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/457359506.html
ラベル:世耕弘成
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