ロックフェラーに喧嘩を売るトランプ。2017年のパワーバランスはこう変わる=斎藤満
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2016年12月13日
トランプ氏によるIS攻撃は、背後に控えるロックフェラーに喧嘩を売る側面があり、相対的にロスチャイルドの影響力が高まると見られます。すでに金融市場ではシティ・グループよりゴールドマンの存在感が強まっていますが、これもその一環と見えます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)
※本記事は、『マンさんの経済あらかると』2016年12月12日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
G7メンバーの大半が「退場」する2017年の世界とアジアを読み解く
急接近するトランプとプーチン
2017年は国際的な政治バランスが大きく変わり、その結果、経済面でのパワー・バランスも大きく変わりそうです。
今年前半のG7メンバーのうち、すでに英国のキャメロン首相、イタリアのレンツィ首相がいなくなり、来年は米国のオバマ大統領、フランスのオランド大統領もいなくなります。新年はメンバーの過半が入れ替わり、残るは安倍、メルケル、トルドー各国首相だけとなるのです。
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「米・英・ロ連合 vs. 欧州・中国」へ
加えて、それ以上に大きな変化となるのが、まず第1に、従来の「欧米中心の西側連合 vs. ロシア・中国」の構図が、「米・英・ロ連合 vs. 欧州・中国」の構図に移行しそうなことです。
トランプ大統領は選挙中に英国を訪問し、エリザベス女王、ロスチャイルドの了解、承認を得たようで、一時冷え込んでいた米英関係が、トランプ大統領の下で改めて強化されると見られます。
そのトランプの米国が、ロシアのプーチン大統領と急接近しようとしています。中東でともにイスラム国と戦う「同志」とも言っています。
米ロが接近し、NATOへの支援を米国が後退させるというだけに、欧州の政治的軍事的立場は弱くなり、欧州ではロシアの脅威が高まります。トランプ大統領は、対ロ経済制裁の解除を提言する可能性があります。
「EUから米国に乗り換えた」イギリス
英国はEUからの離脱を決めましたが、これも英国がEUに見切りをつけ、米国に乗り換えたとも言えます。同時に、米ロが接近する中で、英国もロスチャイルドがロシアに影響力を持ち始めている節が見えます。
例えば、ロシアがウラジオから北海道に鉄道をつなごうとの構想は、ロスチャイルドのアイディアと言われます。
ロシアがイランとサウジの間に立ってOPECの減産合意に協力し、結果として原油価格の引き上げに成功したことは、トランプの米国にも大きなプレゼントになっています。
その中東について、トランプ氏はロシアとともにイスラム国を攻めると言います。これはもう1つの大きなパワー・バランスの変化を意味します。ここには、さらに2つの変化が含まれています。
本当の「イスラム国」掃討作戦が始まる
まず、これまでは米国が中東を管理し、シリア反政府軍やスンニ派のイスラム国をサポートしていた面もあり、米国のプレゼンスが大きくなっていました。これを、ロシアのリーダーシップに委ね、米国も一緒になってISを攻めるとなると、ロシア陣営のシリア、イランが勢力を強め、親米であったサウジが苦しくなります。
つまり中東は、米国主導によるスンニ派優勢の状況から、ロシア主導によるシーア派系のイラン、シリア、イラクが勢力を強める形に変化し、これにトルコが加わります。これと関連して、トランプの米国は、イスラム国を側面から支援していたサウジや米国のロックフェラー・グループと距離を置く、ないしは反目する形になります。
イスラム国については、当初モンサント社系の民間軍事会社が訓練指導し、サウジなどが資金支援していたと言われます。モンサントはロックフェラー系の有力企業です。ですから、これまでは、表向き米国もISを攻撃しているように見せて、間違って武器がISにわたってしまった「事件」や「誤爆」が続き、IS掃討はなかなか進みませんでした。
トランプ氏は選挙キャンペーンのなかで、「ISはオバマ大統領やクリントン氏が支援している」と非難していました。そのトランプ氏が勝利し、ロシアとともにISを掃討するということで、にわかにISの支配地域が縮小しています。
ロシアにイラン、シリア、イラク、トルコがつき、これに米軍がつけば、ISも厳しい状況に追いやられます。
「トランプのロックフェラー離れ」低インフレ・低金利は修正へ
もっとも、これで中東がロシア、シーア派系の秩序で安定するとも言えません。入り繰りがあるためです。
トランプ氏はロシアを同志とする一方で、イスラエルを最後まで守ると言います。そのイスラエルとイランは天敵の関係にあり、米国内にもイランに反発する勢力がいます。
中東では依然としてイランが不安定要素として残り、彼らはペルシャ帝国の復活を考えています。
同時にトランプ次期大統領は、ロックフェラー離れとともに、金融政策主導から、財政政策主導に大きく舵を切りました。その影響はすでに世界市場を動かしていますが、世界の政策にも、次第に金融緩和の終息、財政政策への転換が出始めています。
世界的な低インフレ、低金利が修正されようとしています。
日本でもゴールドマンの影響力増大
日本経済から見ると、ロシアが経済的苦境にあれば、経済支援が「ニンジン」になって北方領土や平和条約への道が開けるかもしれませんが、ロシアへの経済制裁が解除され、ロシアが経済的に強い立場になると、日本の交渉力が低下し、領土問題、平和条約が遠のきます。
トランプ氏がISを攻撃することは、その背後にいるロックフェラー・グループに喧嘩を売るような面があり、結果としてロックフェラー系企業(エネルギー、金融、食品、化学)の影響力が低下し、一方でロスチャイルドの影響力が高まります。
すでに金融市場ではシティ・グループよりゴールドマンの存在感が強まっていますが、これもその一環と見えます。
読めない中国
その中で、中国の位置づけがもう一つ不透明です。
米国は先般親中派のキッシンジャー元国務長官を北京に派遣し、中国大使に習主席と親しい者を任命し、またトランプ陣営の中には米国がAIIBに参加しなかったのは間違いだという声も聞かれます。
しかし、同時に台湾総統と電話会談をし、為替操作や中国製品のダンピングを批判し、南シナ海への侵略も批判しています。
米国が中国を大国として承認し、経済協力を模索するのか、米国第一を脅かす存在として中国を叩くのか、まだ今の段階では読み切れません。何より、中国自身が読めなくて困惑しています。
今般、東シナ海から中国船が日本の領海を侵犯してきましたが、これには米国の出方、トランプ氏の動きを探ろうとの意図もうかがえます。日本もしばらくは中国との関係を模索せざるを得ません。
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トランプの米国は、ISIS(イスラム国)を側面から支援していたサウジや米国のロックフェラー・グループと距離を置く、ないしは反目する形になる。
ISIS(イスラム国)については、当初モンサント社系の民間軍事会社が訓練指導し、サウジなどが資金支援していたと言われます。
モンサントはロックフェラー系の有力企業です。
トランプは選挙キャンペーンの中で、「ISはオバマ大統領やクリントン氏が支援している」と非難していた。
トランプが勝利し、ロシアと共にISを掃討するということで、にわかにISの支配地域が縮小している。
ロシアにイラン、シリア、イラク、トルコがつき、これに米軍がつけば、ISも厳しい状況に追いやられる。
トランプはロシアを同志とする一方で、イスラエルを最後まで守ると言っている。
トランプは、ロックフェラー離れと共に、金融政策主導から、財政政策主導に大きく舵を切った。
トランプがISを攻撃することは、その背後にいるロックフェラー・グループに喧嘩を売るような面があり、結果としてロックフェラー系企業(エネルギー、金融、食品、化学)の影響力が低下し、一方でロスチャイルドの影響力が高まる。
トランプがロックフェラーから離れ、ロスチャイルドの影響力が高まる。
トランプの当選は米国の支配者がロックフェラーからロスチャイルドに移行したと見て良いのかも知れません。
「トランプはキッシンジャーの呼び出されて会った」とも言われています。
ISIS(イスラム国)はヒラリーとオバマが支援していることは、拙ブログの過去記事でも、お伝えした通りです。
ISIS(イスラム国)は、米国が雇っている傭兵です。
ISIS(イスラム国)は、イスラム教は悪というネガティブ・キャンペーンです。
"HILLARY CLINTON CREATED ISIS WITH OBAMA!" DONALD TRUMP
中丸薫 2014 10 今、知っておくべき世界の情報
参考
ドナルド・トランプ氏、「ダーイシュ(ISIS、イスラム国)を作った張本人はヒラリー・クリントン氏とバラク・オバマ氏だ」と暴露
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/434081340.html
ラベル:ドナルド・トランプ
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