2016年04月01日

消費増税 「リーマン級」定義が焦点に

消費増税 「リーマン級」定義が焦点に
http://mainichi.jp/articles/20160402/k00/00m/010/054000c
毎日新聞2016年4月1日 19時51分(最終更新 4月1日 21時12分)

安倍晋三首相が来年4月の10%への消費増税を先送りする場合の例として言及してきた「リーマン・ショック級の重大事態」の定義が焦点になってきた。「リーマン級」の意味するところは実際には明確ではなく、増税延期派は、世界経済の収縮や国内の消費の落ち込みがリーマン・ショックに匹敵するとのデータを示せば、増税先送りの根拠になり得ると声を上げ始めている。

「リーマン・ショックは100年に1度と言われた。今そのような危機が訪れようとしているか」。民進党の大串博志氏は1日の衆院内閣委員会で政府の認識をただした。これに対し、石原伸晃経済再生担当相は「当時と今が同じという認識は持ち合わせていない」と述べるにとどめた。

 首相は法律で規定されている来年4月の消費増税について「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、予定通り引き上げる」と繰り返し答弁してきた。2014年11月に消費増税の先送りを表明した際には、17年4月には「確実に上げる」と明言していたこともあり、当時は「リーマン級」が何を意味するかは注目を集めなかった。

 しかし、首相の経済政策ブレーンで消費増税の凍結・減税を主張する本田悦朗内閣官房参与は先月の講演で、家計消費支出のトレンドについて「これだけ下に出たのは、リーマン・ショックと今だけ」とデータを示しながら説明。すでにリーマン直後並みに悪化しているとの認識を強調した。

 これに対し、財政再建を重視し増税延期に慎重とされる自民党の谷垣禎一幹事長は「現在そのようなことが起こっているという議論をしている人は、あまりいない」(先月22日の記者会見)と述べ、本田氏ら増税延期派の経済学者をけん制した。

 菅義偉官房長官は1日の衆院内閣委で「リーマン級」の定義について、「首相の発言通りだ」と語り、踏み込むことを避けた。増税か延期かの判断は、衆院の解散戦略にも絡むだけに、政権側は当面、世論をにらみながら専門家らの議論を見守るとみられる。【高本耕太】
消費増税に関する安倍晋三首相の主な発言

▽2016年度予算成立を受けた記者会見(3月29日)

 「来年4月の消費税率10%への引き上げは、リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り実施する」

▽衆院予算委員会での答弁(2月19日)

 「再び延期することは考えていない。リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生すれば、その時の政治判断において国会で議論をお願いすることはあり得る。重大な事態とは、例えば世界経済の大幅な収縮が実際に起きているかだ」

▽衆院解散と消費増税延期を表明した記者会見(2014年11月18日)

 「税率を上げても税収が増えないということになっては元も子もない。……15年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかという声がある。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言する。17年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施する」


石原伸晃・消費税.PNG



安倍首相が来年4月の10%への消費増税を先送りする場合の例として言及してきた「リーマン・ショック級の重大事態」の定義が焦点になってきた。
「リーマン級」の意味するところは実際には明確ではなく、増税延期派は、世界経済の収縮や国内の消費の落ち込みがリーマン・ショックに匹敵するとのデータを示せば、増税先送りの根拠になり得ると声を上げ始めている。
ラベル:石原伸晃
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posted by hazuki at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 自民党 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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