http://muryo-juku.goo-fla.com/tpp/antiTPP/antiTPP_12.pdf
M&A(企業の合併買収)アドバイザリー業務に携わる一人として指摘したいのが、日本版エクソンフロリオ条項の設定がされていない点ではないかと考えます。
エクソンフロリオ条項(Exon-Florio provision)とは、アメリカ合衆国の包括通商法に盛り込まれている条項の一つです。
アメリカ合衆国大統領は、航空、通信、海運、発電、銀行、保険、不動産、地下資源、国防の9分野でアメリカ合衆国の安全保障を脅かす外国企業によるアメリカ企業の買収や土地の取得について、対米外国投資委員会(CFIUS)が条項に触れると判断した場合、阻止する権限を持っています。
韓国では、これと似た韓国版エクソンフロリオ条項が導入されています。
つまり、アメリカと韓国の間のTPPは、お互いの国家の安全保障に関連する企業買収や土地買収を抑止できる事が担保されていると考えます。
さて、我が国には、エクソンフロリオ条項に相当するものがないので、閣僚クラスの発令になると考えられます。問題はこれで安全保障を阻止することができるかです。上記のように、アメリカにはエクソンフロリオ条項があるが、我が国にはエクソンフロリオ条項がありません。このような状況で、アメリカが市場経済上のイコールフッティングを要求するとすれば、フェアだと考えられるでしょうか。我が国の企業がアメリカ企業を買収しようとしたところ、エクソンフロリオ条項を理由に取得を拒否され、逆に、アメリカ企業はエクソンフロリオ条項のない我が国で日本企業を買収することができます。
TPP推進を目指すシティグループ、AT&T、ベクテル、キャタピラー、ボーイング、コカ・コーラ、フェデックス、ヒューレット・パッカード、IBM、インテル、マイクロソフト、オラクル、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ウォルマート、タイム・ワーナーなどが加入するアメリカの民間企業連合は24の作業部会推進をし様々な要求を行なっていると報じられており、我が国の安全保障を脅かしかねない企業買収も起きる事が懸念されます。
例えば、上記の企業や韓国企業がゆうちょ銀行、三菱重工業、キヤノン、武田製薬、日本電気、富士通、ソニーなどを買収することも想定できます。
つまり、我が国が日本版エクソンフロリオ条項を設けるまでは、アメリカや韓国と双方に市場的対等性は存在しない状態であり、国の安全保障が担保されない状態でTPPにむやみに突っ込むのはリスクが高い行為と思います。
TPPを論ずる前に、我が国の安全保障を脅かす企業買収や土地取得を規制する日本版エクソンフロリオ条項を設けることは重要です。
当然ながら、我が国の優秀な技術等を狙っている外国、外資系企業そして彼らの手先となってひと儲けしたい向きは日本版エクソンフロリオ条項制定には反対するでしょう。
TPPって何?の投稿より
韓国にもエクソン・フロリオ条項がありました。
米韓FTAで、ISD条項が発動しても被害は少ないと思われます。
ISD条項で他国から訴えられない為にも、TPP発効前に日本版エクソン・フロリオ条項が必要です。
「エクソン・フロリオ条項」とは、アメリカ合衆国の包括通商法に盛り込まれている条項。
アメリカ国家の安全保障を脅かす外国企業によるアメリカ企業支配を制限する条項である。
対米外国投資委員会(CFIUS)が条項に触れると判断した企業買収や土地取得などの活動に対して、大統領が阻止する権限を持つ。
アメリカ議会が1988年に日本資本によるアメリカ企業の敵対的買収を阻むために導入した。
参考
日本版エクソン・フロリオ条項がTPPと対極にあることについて(転載記事)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/433797599.html
ラベル:エクソン・フロリオ条項
コメントをありがとうございます。
拙ブログのコメント欄は、名前の入力が必須となっております。
どうやってコメント出来たか分かりませんが、次回から「名無し」でも「通りすがり」でも何でもいいので、コメントを残す時は名前の入力をお願い致します。
名前がないコメントはエラーになります。