2016年02月14日

日本版エクソン・フロリオ条項がTPPと対極にあることについて(転載記事)

日本版エクソン・フロリオ条項がTPPと対極にあることについて(転載記事)

日本版エクソン・フロリオ条項がTPPと対極にあることについて(神州の泉)
http://www.asyura2.com/13/senkyo147/msg/761.html
投稿者 かさっこ地蔵 日時 2013 年 5 月 17 日 10:08:53: AtMSjtXKW4rJY

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/05/post-414b.html
2013年5月16日 神州の泉

 TPPは通常の意味における国際貿易協定ではなく日本にとっては究極的と言えるほど破壊的な不平等条約である。その脅威がネットを中心に知られてきて、断固阻止が叫ばれている。この中にあって、神州の泉は『佐藤ゆかり氏はエクソンフロリオ条項の話を寸止めした!?(寸止めされた!?)』で、「日本の視点から眺めれば、日本版エクソン・フロリオ条項は、TPPの心臓部であるISDS条項と正反対の概念なのである。」と書いた。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2013/05/post-09a0.html

 これについて、「私がちっとは本気で考え続けていてわからないくらいなので一般人はやっぱりわかりにくいだろうと思うので お手間ですがこれとエクソンについて もう少し噛み砕いて説明していただけないですか?」という読者さんのコメントがあった。

 一般の人が「エクソン・フロリオ条項」についてほとんど知らないのは無理もない。2007当時は、これがネットでもほとんど検索にヒットしないくらい知られていなかった。当時はgoogleにしてもYahoo Japan!にしても、ほとんど検索出来ない代物だったのである。

 郵政民営化を悲願とした小泉政権時代、アメリカは日本人の言語空間に「エクソン・フロリオ条項」が登場しないように、極力神経を使いながらその言葉を検索できないようにしていた。2007年5月に日本版エクソン・フロリオ条項の制定が必要であると、ネットで初めて訴えたのは神州の泉である。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/05/post_ad71.html

 2007年5月当時、アメリカの「エクソン・フロリオ条項」について調べ始めたら、この条項は海外企業がアメリカに投資する際の国家安全保障上の最終防壁であることを知った。結論から言うなら、これは文藝評論家の江藤淳が記した「閉ざされた言語空間」に位置する重大なキーワードの一つである。

 江藤淳の「閉ざされた言語空間」は戦後史の真実を言い当てている。われわれが「太平洋戦争」と教え込まれた戦争の正式な呼称は「大東亜戦争」であり、戦時中の日本はこれで通していた。戦争末期、アメリカは勝利を見越し日本人の精神改造のために徹底的な日本研究を行っていて、これが占領政策の指針となっている。

 骨格だけを言う。戦勝国アメリカの占領政策の最大の目的は、大東亜戦争を典型的な善悪二元論で位置づけ、悪玉側に決めつけられた日本はいっさいこの戦争に関わるアメリカ側への批判を封じ込めると同時に、戦争の罪悪感を日本人に刷り込み(WGIP)、日本人の精神を永久去勢状態にすることを計画した。

 GHQは検閲によって日本側の表現の自由を完全に封じ込め、新聞やラジオでは日本側に主張させず徹底的に日本悪玉論を報道した。プレスコードである。詳しくは当該書をご覧になっていただきたい。

 ここからは神州の泉の考えだが、文字化された占領期プレスコードの思想は「日米地位協定」「日米安全保障条約」に生き残り、文字化されていないコードは、マスコミや政府、教育機関などに受け継がれた。彼らは自主的にそれを継続し、アメリカを批判することが正当化されないように常に報道や言論界にバイアスを掛けている。これが現代日本の「閉ざされた言語空間」なのである。

 これに加え、横田基地、キャンプ座間、横須賀基地などの武力を背景に、CIAやCSISなどが、政府政策やマスコミ報道などを常に監視しながら世論誘導を行い、政府の要人を掌握して日本の国政方向を強引に決めている現実がある。

 これはアメリカによる言わば院政統治というか間接統治であり、日本の戦後は継続して「閉ざされた言語空間」に触れないように強制されている。これは目に見えないから始末が悪い。

 日本国憲法第21条の「1集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」は普遍的な個人の自由を意味する素晴らしい条文だが、実働状態は「閉ざされた言語空間」に抵触しない範囲のみで有効なのである。

 平易に言うなら、日本人に許されている言論の自由とは、アメリカを批判しないという暗黙の前提条件の中でしか効力を発揮しない。これを踏み出すとひどい目に遭う。首相なら首をすげ替えられるか殺されるような目に遭い、有識者なら国策捜査に見舞われる。最近では一般人も危なくなっている。案外このことは自覚されていない。

 例えば昨今の日本の場合、小泉政権以降、菅、野田、安部政権は年次改革要望書や日米経済調和対話の指針に従って国政方針を決めている。否、アメリカに決められているという方が正確であるが、小泉政権以降、目に見えないこの統治システムから抜け出ようと試みたのは唯一鳩山政権だけだった。

 小沢一郎氏が徹底して悪役イメージを持たされているのはアメリカの意志である。小沢一郎氏や植草一秀氏が人物破壊を蒙ったのは、彼らの意志が「閉ざされた言語空間」をタブー視していないからである。対米自主独立を願い、そのことを堂々と訴えた有識者は物凄い風圧に晒され、時には命を奪われる。

 郵政民営化問題の本質は外資規制論であり、この時、亀井静香氏、城内実氏、小林興起氏など、国防理念をきちんと持っていた有識者たちは、民営化され郵政株が市場放出された場合、350兆円に及ぶ郵政資金がゴールドマン・サックスなどの国際金融資本に掌握される危険性を訴えていた。

 ところが、政府もマスコミも徹底してその論調を封じ込め愚かな抵抗勢力だと決めつけて彼らを一線から退けた。これが米国対日戦略部隊の最優先方針だった。現在は安倍首相がどさくさに紛れて、亡国のTPP交渉参加を表明した。TPPのISDS条項を見れば、これが日本や他の国を多国籍企業の独壇場に塗り替える強制規約であることが分かる。TPPに参加すること自体が国防を破壊する国家の自殺行為となる。

 お分かりだろうか。郵政民営化選挙が行われた当時、外資の収奪脅威に対して、どう対応していくのか慎重に考えるべきだという論点を展開しようとして猛然と排斥された論調こそが『日本版エクソン・フロリオ条項』の考え方だったのだ。この考え方は対米自立とセットになっている。


 以上のことを踏まえ、そのエクソン・フロリオ条項に再び言及する。

 戦後、特に20世紀後半、社会主義計画経済が終焉し資本主義自由経済が世界経済の趨勢となった。1989年のベルリンの壁崩壊を以て東西冷戦構造が終結した後、米国は、世界経済の一極化・単一化を計り、IMF(国際通貨基金)などを通じて推し進めてきた政策がグローバリゼーションと言われるものだ。

 先進諸国にとって投資に関わる重要なものは「OECD資本移動自由化コード」であった。これは貿易自由化促進の主旨であるが、欧米先進諸国はそういう中にあっても、国境を超える資本の移動に対しては、国の安全や公の秩序維持等、国家安全保障上の何らかの規制が必要であるという共通認識があった。

 1947年に始まったGATT(関税及び貿易に関する一般協定)の生まれ変わりとして誕生したWTO(世界貿易機関)には包括的規範はあったが、こと投資の分野では包括的な国際規範は存在せず、便宜的に二国間協定とか地域協定によるローカルな局面で投資規制が考えられ実行されていた。これが国際投資に関わる状況である。

 このような状況の中、アメリカは1988年8月、包括的貿易競争法を制定した。アメリカ議会(上院も下院も民主党が多数派)は、アメリカ財務省の外国投資委員会(CFIUSC)が、外国資本によるアメリカ企業の買収・合併がアメリカの安全保障を脅かす可能性が有ると判断した場合に、外国資本によるアメリカ企業の買収・合併を大統領が禁止する権限を規定した包括的貿易競争法を可決し、レーガン大統領(共和党)が署名し成立した。

 これが米国のエクソン・フロリオ条項である。国家防衛・安全保障というセキュリティのための法律であり、至極まともな考え方である。だが、米国は自国を守る制度は敷設しても、貿易相手国には新自由主義に従って徹底的に外資防衛策の制度化を叩き潰している。この非対称性、偏頗性こそが、日本における現代の「閉ざされた言語空間」なのである。

 郵政民営化選挙のとき、政治家を招いたテレビ番組が徹底して外資リスクの論議を叩き潰していたことは覚えていると思う。古舘伊知郎氏やみのもんた氏が目を血走らせて外資脅威論を封じ込めていたことがそれを表している。

 長くなるので今回は止めておくが、日本には外資対策も含まれているという「外国為替及び外国貿易法(通称は外為法)」があるが、これにはエクソン・フロリオ条項に匹敵する効力がほとんどなく、それどころか改修に次ぐ改修で日本の資金が外資に流出する構造になっている。貿易振興の名を騙った売国法律である。

日本はアメリカのエクソン・フロリオ条項を見習い、日本独自の日本版エクソン・フロリオ条項の制定が喫緊の課題である。当然、大統領制のアメリカとは仕組みが異なるから、日本でそれを制定する場合は、最終判断を各党代表合議制の多数決で行うべきだろう。もし小泉首相、野田首相、安倍首相ら国防観念のない売国宰相が外資の投資活動を最終判断したら、盗賊を引き込むようなことをするから逆効果になる。

 TPPは外国資本が内国制度を強制突破するために仕掛けられた国際的な“罠”であり、日本版エクソン・フロリオ条項はグローバル資本のような外国資本の収奪から日本を守る防波堤となる。この点でTPPと日本版エクソン・フロリオ条項は真っ向から対立する概念である。

 わが国になぜこのような効果的な経済防衛体制が敷かれていないのかを歴史的に捉えたとき、そこには日本人が陥っている対米隷属の習慣化という深刻な問題が屹立していることが見えてくる。




TPPは外国資本が内国制度を強制突破する為に仕掛けられた国際的な罠であり、日本版エクソン・フロリオ条項はグローバル資本のような外国資本の収奪から日本を守る防波堤となる。
この点でTPPと日本版エクソン・フロリオ条項は真っ向から対立する概念である。
TPP発効で必要になるのは、エクソン・フロリオ条項だと思います。
ISD条項の導入により、日本が他国に訴えられて裁判で負けてばかりいてはいけない。
「エクソン・フロリオ条項」とは、アメリカ合衆国の包括通商法に盛り込まれている条項。
アメリカ国家の安全保障を脅かす外国企業によるアメリカ企業支配を制限する条項である。
対米外国投資委員会(CFIUS)が条項に触れると判断した企業買収や土地取得などの活動に対して、大統領が阻止する権限を持つ。
アメリカ議会が1988年に日本資本によるアメリカ企業の敵対的買収を阻むために導入した。
posted by hazuki at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | エクソン・フロリオ条項 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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