2015年09月12日

佐野研二郎の5年前の著書『思考のダイエット』を読んでみたら…そこには今回のパクリ騒動を予見させる言葉が満載だった!

佐野研二郎の5年前の著書『思考のダイエット』を読んでみたら…そこには今回のパクリ騒動を予見させる言葉が満載だった!
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2015.09.12

9月1日に東京五輪組織委員会がエンブレムの使用中止を発表した後も、いまだ収束する気配のない佐野研二郎氏へのバッシング。

 一方で、そのサノケンが2010年に出版した著書『今日から始める 思考のダイエット』(マガジンハウス)がやたら売れているらしい。筆者もコワいもの見たさで、さっそく入手して読んでみた。

 と、パラパラとページをめくっていると、ふと目に止まった以下の文章にビックリ! なんと、サノケン、5年前に今回の騒動を引きおこすことを予告していたのである。

〈いま手がけている広告やその商品を、街の人が見たり、手に取ったとき、いったいどんな表情を浮かべるかをシミュレーションすることを怠ってはなりません。例えば、あるビジュアルをつくったら、それを街のビルボードの写真に合成したり、持っているショッピングバッグの写真に合成するだけでもずいぶんリアリティーをもって客観的に確認することができます〉

 そう、ショッピングバッグの写真に合成というのは、サントリーのトートバッグを連想せずにはいられないし、街のビルボードの写真に合成というのは、もろ、エンブレムの展開例でやっていたことではないか。

 もしや、この本にはサノケンのパクり方テクニックが書かれているのでは…そんな妄想を膨らませた筆者は、本を読み進め始めた。ところが、次に目についたのは、こんな記述。

〈閉じられた空間ばかりにいるのではなく、街に出て、人に会うことも重要です。いま、世の中がどのようなものを求めているのかは、インターネットを検索しているだけでは、見えてきませんし、自分の目で見たり聞いたりした、その実感がなければ、世の中の空気を察知する感受性を見に付けることができません〉

 それ、あなたに一番、言って聞かせたい言葉なんですけど……。さっき言ったエンブレムの展開例の写真とか、トートバッグのフランスパンとか、多摩美のポスターの眼鏡とか、きちんと「街へ出て」自分で写真を撮っておけば問題にならなかったはず。それこそ横着して「閉じられた空間」のパソコン上でチャチャッと仕事を終わらせようとしたからこんなことになったのではないか。

同書には他にも、サノケン自身にアドバイスしたい教訓が満載だった。たとえば、クライアントに提出したデザイン案にダメ出しされたときの解決法。サノケンはこう書く。

〈グループインタビューの結果を受けていろいろなネガな要素を微調整するのではなく、バサッと大きく変化させて検証することがとても大事です。微調整は元のデザインを悪くすることが多いのです〉
〈一度考えたアイデアというものには、どうしてもこだわりを持ってしまうものです。考えをリセットしり、別のアイデアを試したりしたほうが効率よく仕事ができるはずなのに、なぜか同じ穴を永遠に掘り続けてしまう……。その穴を掘り続けても、水脈を掘り当てる保証はありません。手応えがなければ、ある程度の時間で見切りをつけて、違う場所の穴を掘っていかなければ、かえって効率が非常に悪くなるということを心得て、諦めることも大切なのです〉

 今回のエンブレムに関しては、リエージュ劇場との類似性を指摘された決定案の前に、それとはまた別の原案があり、そこから若干の修整が加えられた過程も報道されている。著書の言葉に沿うならば、原案を使用できなくなった時点で微調整するのではなく、大きく変化させた案を再度出し直すか、もしくは採用を辞退するべきだったと思うのだが……。

 だいたい、この本では、「その穴を掘り続けても、水脈を掘り当てる保証はありません」と書いてあるではないか。ところが、今回、サノケン先生は同じ穴を掘り続けて、水脈どころかバッシングが吹き出てくる「ガス管」を掘り当ててしまった。

 とまあ、こんな調子で、パクリのテクニック伝授どころか、「それ、お前が言うか」的なもっともらしいアドバイスばかりが目についた『思考のダイエット』だが、しかし、さらに目を凝らして読み進めていくと、やっぱり佐野氏の考え方が「今回の騒動」の原因となっていることもわかってきた。

 たとえば、そのひとつが部下とのコミュニケーションの取り方だ。同書にはこんな記述がある。

〈打ち合わせの時も、あまりにも人数が多すぎると、お互いに牽制し合ってしまったり、全員が発言できなかったり、それぞれの力を最大限に発揮できないこともあり、これでは逆効果です。この時、やみくもにスタッフを減らすのではなく、それぞれの役割分担をはっきりさせ、目的を持って作業できるように仕分けをすることが重要です〉

 ようするに、部下を打ち合わせには参加させずに、徹底した「役割分担」でひたすら作業させる。しかし、このディスコミュニケーションが招いたのがパクり癖のある部下の放置だったのではないか。

さらに、こんな記述もあった。

〈移動中の新幹線や喫茶店でラフスケッチを描き、その絵を写メールで撮影し、それをスタッフに送り、制作してもらうことがあります。「佐野さん、それはとても乱暴な仕事のやり方ですね」、そう言われてしまうかもしれませんが、実はこの作業もシンプルでわかりやすいデザインをするのに、重要なプロセスなのです。
 写メールは解像度が低く、微妙なニュアンスまで伝えられません。けれど、ディティールまで見えなくても、ちゃんと伝わるものになっている必要があります。これは、屋外看板や中吊りなど、遠くからでもちゃんと目立っているかを検証することに近いのです〉

 もしも皆さんがサノケンの事務所、MR_DESIGNのデザイナーだったとしたら、カリスマ上司から荒い画質のラフスケッチが送られてきて、それに「すいません。これ意味が分かんないんですけど……」と言い出せるだろうか? 筆者なら無理だ。

 ならば、よく分からない部分は既存のデザインで埋め合わせ……となっても不思議ではないだろう。
 
 では、なぜ、サノケンは部下とこのようなコミュニケーションの取り方をするのだろうか? そこには、とにかくスピードを求められる広告業界の仕組みがあるようだ。

 たとえば、複数のノベルティグッズを展開するような案件に携わっている場合、そのひとつひとつのデザインの可否についての判断にアートディレクターであるサノケンが時間をかけてしまうと、今度は実際にグッズの制作にかけられる時間がどんどん目減りしていってしまう。瞬時に物事を判断できるスキルはデザインの仕事において大事なことなのだそうだ。

 その例として、サノケンはメールに関し、〈60秒以内に返信、30文字制限ルール〉というものを設けていると語っている。彼のメールの速さはこの本の編集者にとっても印象的なものだったようで、こんなエピソードも合わせて綴られていた。

〈まずこの本の企画を頂いたときの仮タイトルは、実は、『佐野の返事はやたらと早い』というものでした。メールの返信を素早くすることは、コミュニケーションの基本であり、あらゆることをスピードアップすることで、仕事はもっとうまくいくという切り口の内容でした〉

 確かに、チェックのためのメールなどが素早く返ってくると、その後の仕事が迅速にできるので嬉しい。しかし、サノケンがこういったスピード至上主義の発想を部下であるスタッフにも押し付けていたから、パクり騒動が起きたのではないだろうか? 

例のトートバッグの「BEACH」を盗用されたベン・ザリコー氏は「第三者のデザインをトレースした」と釈明するサノケン側に対し、「彼はトレースしたと説明したが、私のデザインと完全に一致している。まるでフォトコピーだ」と主張した。だが、もしも部下にもう少し時間が与えられていたら……。こんな「フォトコピーだ」とまで言われるような仕事はしなかったのではないだろうか? 

 さらに、今回の騒動を生み出した極めつけの理由と感じたのが、以下の発想だ。

〈こちらの提案から相手の採用までの間には、プレゼンテーションという橋が渡されています。デザイナーに限らず、どんな職業のひとでも、口を鍛える必要があります〉
〈僕は、おおげさ過ぎるくらい自信を持って、プレゼンに臨みます。
 担当の方に作ったものを見てもらうとき、「すごく良いのが出来ちゃいましたよ!」と、自信満々に言います。(中略)そして、「じゃじゃーん!」と効果音をつけたり、自分なりの演出を加えながら、プレゼンを始めます。
 そうするとみんな「見たい見たい」という空気になるんですよね〉

「週刊文春」(文藝春秋)15年8月27日号によれば、サノケンは広告業界では「クライアントに何を言われてもOKする男」「サノケンのアイデアは単純。(中略)でも、プレゼン上手だから、それが『面白い』となってクライアントに採用される」といわれているらしいが、「口を鍛える必要があります」という文章を読んで、なんだかすべて納得してしまった。

 東京五輪エンブレム騒動では、別に原案があったことから、サノケンが発表時にもっともらしく語っていた「コンセプト」が全部後付けだったことがバレてしまったが、このカリスマアートディレクターはまさに、「口」を鍛えることでいろんなことをごまかしてきたのだろう。そのほころびが今回、一気に出てしまったのかもしれない。

 しかし、広告業界に詳しい人に聞いてみると、サノケンがこの本で書いていることはけっして特別なことでもないらしい。部下に丸投げで作業をさせ、スピード優先で、プレゼンでクライアントを丸め込む――これらは有名アートディレクター、ひいては業界全体で日常的に行われている仕事のやり方なんだとか。

 そう考えると、広告クリエイターのみなさん方にこそ、この本をもう一度読んでもらいたい。そして、自分たちの実力以上にふくらませた幻想と仕事量を「ダイエット」して、サノケンの二の舞にならないようにしていただきたい。
(井川健二)


佐野研二郎1.PNG
今日から始める思考のダイエット -
今日から始める思考のダイエット -



佐野研二郎が2010年に出版した著書「今日から始める 思考のダイエット」(マガジンハウス)がやたら売れているらしい。
佐野研二郎は5年前に今回の騒動を引き起こすことを予告していた。
「いま手がけている広告やその商品を、街の人が見たり、手に取ったとき、いったいどんな表情を浮かべるかをシミュレーションすることを怠ってはなりません。例えば、あるビジュアルをつくったら、それを街のビルボードの写真に合成したり、持っているショッピングバッグの写真に合成するだけでもずいぶんリアリティーをもって客観的に確認することができます」
パクリのテクニック伝授どころか、「それ、お前が言うか」的なもっともらしいアドバイスばかりが目についた「思考のダイエット」だが、しかし、更に目を凝らして読み進めていくと、やっぱり佐野氏の考え方が「今回の騒動」の原因となっていることも分かって来た。
「今日から始める 思考のダイエット」は読んだことがありませんが、佐野研二郎の本なので、購入予定もないです。
佐野研二郎の本を読ん感想を書いた筆者に「情報提供をありがとうございます」と言いたいです。




参考

佐野研二郎が展覧会のデザイナー変更される 広報担当「主催者の都合」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425762445.html

五輪エンブレム盗作問題で佐野研二郎輩出の多摩美大生が悲鳴「就職活動に影響が……」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425478881.html

【速報】多摩美術大学が佐野研二郎の作品ページをこっそり消して証拠隠滅を図る
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425443316.html

エンブレム佐野研二郎追い込んだ「鬼女」って何者?ネットで情報集めて拡散
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425343616.html

【炎上】佐野研二郎エンブレム原案はヤン・チヒョルト展からパクったことが判明!同時に佐野研二郎が展覧会に行っていた証拠も見つかった!
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425115081.html

佐野研二郎デサイン五輪エンブレム原案 ヤン・チヒョルト氏からの盗作ではないかと話題に
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425058913.html

オリンピック委員会「実は佐野研二郎のロゴは元は違う形で委員会で修正した。だからパクリではないです」←速攻で矛盾がバレて泥沼へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424942749.html

[五輪エンブレム問題] 原案を修正と審査委員代表 原案は劇場ロゴに「似ていない」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424848177.html

[五輪エンブレム問題] 盗用疑惑にスポンサー困惑…「企業イメージ悪化する」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424730384.html

【炎上】絶賛された扇のオリンピックロゴに佐野研二郎派のデザイナーが一斉に反対意見を表明
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424729583.html

佐野研二郎デザインの施設ロゴについて太田市が調査? 市は「最初から調査するつもりだった」と一部否定
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424480365.html

疑惑続々の佐野研二郎 会社名も“パクリ”の笑っちゃう過去
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424442382.html

訴訟ラッシュも? 傷だらけの「五輪エンブレム」撤回秒読みか
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424390546.html

[五輪エンブレム問題] 名古屋の東山動植物園マークもコスタリカの国立博物館のマークに類似の指摘 佐野研二郎デザインで調査
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424389729.html

【速報】佐野研二郎が「デザインの仕入元」と囁かれるPinterestを使っていることが判明→速攻でアカウント削除
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424371079.html

五輪エンブレム盗作問題 審査員と佐野研二郎とのつながりがネットで話題に
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424336964.html

Tシャツも“コピペ”? 佐野研二郎を襲った「新たな疑惑」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424226976.html

サントリー 佐野研二郎作の景品撤回…「酷似」の指摘相次ぎ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424130167.html




関連

大阪のMr.DESIGN社が佐野研二郎の会社と間違えられて風評被害にあっていますが無関係です(拡散協力)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/425345888.html

サントリーデザイン模倣問題でザリコー氏、佐野研二郎に謝罪求める
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424792241.html

「万華鏡みたい」「雅でいいですね」...デザイナー達の「自作」五輪エンブレムが大反響
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424652368.html

コンビニおでんの販促ポップ、組織委からストップ これで「五輪エンブレムを想起させる」なんてよくいうね
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424607567.html

佐野研二郎の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴ見た米デザイナー・ジョシュ・デバイン氏「法律顧問と相談したい」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424533826.html

デザインを模倣された米デザイナーが「東京五輪エンブレム」を考案! 佐野研二郎はこれにどう答えるのか?
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424388677.html

佐野研二郎にデザインを盗用された米国のデザイナー、自分で考えた東京オリンピックのエンブレム制作を発表
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424317266.html

五輪エンブレム審査員の長嶋りかこさん、BjorkのCocoonを丸パクリか アルバムのタイトルからデザインまで同じだと話題にwww(保守速報から転載)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/424270620.html
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