2015年04月29日

「日本一高い入場料」は当然…USJ顔負け、世界遺産姫路城が強気の商売

「日本一高い入場料」は当然…USJ顔負け、世界遺産姫路城が強気の商売

【関西の議論】
「日本一高い入場料」は当然…USJ顔負け、世界遺産姫路城が強気の商売
http://www.sankei.com/west/news/150429/wst1504290003-n1.html
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2015.4.29 11:00

世界遺産・国宝の姫路城(兵庫県姫路市)が、5年に及ぶ大天守の修理を終えて3月27日から再オープンし、連日大勢の観光客で活況を呈している。塗り替えられた城壁は別名「白鷺城」と称される白さがよみがえった。あまりの白さに白すぎ城≠ニも呼ばれ、賛否両論を巻き起こしたが、もう一つの大きな「変化」があった。入場料が修理工事前の600円(15歳以上)から千円(18歳以上、高校生除く)に改定され、全国の城では最も高額になったのだ。今年、姫路城で過去最高となる年間180万〜200万人の入場者を見込む姫路市だが、その「自信」はどこからくるのか。昨年、NHK大河ドラマで注目を集めた直後とあって、観光客誘致の「次の一手」が注目される。(上阪正人)

首里城抜き全国トップの入場料に

 全国城郭管理者協議会(事務局・首里城)によると、姫路城の入場料千円は、同会に加盟する全国49城で最も高い。姫路城管理事務所は「ここまでのところ、料金改定についての苦情はない」としているが、全国の城と比較するとかなりの高額だ。

 天守閣が残存する城の中でも、大垣城(岐阜県大垣市)のように100円で入場できるところもあり、姫路城以外の国宝4城では、彦根城(滋賀県彦根市)が600円、松本城(長野県松本市)が610円、犬山城(愛知県犬山市)が550円。姫路城は再オープンに合わせ、これまでの入場料最高額だった首里城(那覇市)の18歳以上(高校生除く)820円を大きく上回る料金設定を断行した。

 姫路市によると、再オープン後の入場料について旅行代理業者などから意見を求め、「入場料千円でも、世界遺産に登録されている他の歴史的建造物と比較して飛び抜けて高くはない。観光客が減るということはない」とアドバイスを受けたという。

海外の世界文化遺産の入場料(大人)では、ヴェルサイユ宮殿(フランス)18ユーロ、パルテノン神殿(ギリシャ)12ユーロ、クフ王のピラミッド(エジプト)100ポンド、自由の女神像(米国)28ドル、ピサの斜塔(イタリア)18ユーロ、モン・サン=ミッシェル修道院(フランス)9ユーロ−と、日本円で1500円〜3千円前後で、日本の城と比べるとやや高め。姫路城も将来、建物や周辺施設を維持管理していく上で「世界遺産を将来に継承する経費を広く入場者から負担していただこう」(市担当者)と考えた。

 この値上げにより今後10年間で約30億円の増収が見込め、石垣の補修や城域内の植生管理に充てる市民の税負担を半減することができるといい、市の関係者は「姫路城と同年代に建てられ、維持管理の財源確保が必要な中で値上げに踏み切れなかったところも多くある。まず姫路が千円にしたことで料金を上げやすくなったのではないか」と指摘する。

「200万人超え」想定

 そうした強気の価格設定も、姫路城の人気への自信の表れだ。姫路市は今年度の年間入場者数を「180万人以上」と見込み、200万人を超えることも想定している。

 平成25年度に集計された全国の城の年間有料入場者数(全国城郭管理者協議会調べ)では、1位が首里城の約160万4千人、2位は元離宮二条城(京都市)158万7千人、3位は熊本城の約140万7千人。姫路市の見込み通りなら、入場者数でも姫路城は初めて全国トップに躍り出る可能性大となる。

 姫路城で過去、入場者最多を記録したのは「昭和の大修理」終了後の昭和39年で174万人。2番目が今回の修理工事直前で大天守見学の駆け込み客が増えた平成21年度の約156万2千人(全国4位)。市は今後約3年は混雑が続くとして、来年度の入場者は約163万人、29年度は約134万人を予測している。

そうした中、実際の客足の滑り出しは果たしてどうだったのか。

 同城では、最も混雑が予想されるゴールデンウィーク期間までの5月10日までは「安全対策集中期間」として混雑時の入場制限策を打ち出している。

 ゲート前に行列ができる日は1日で1万5千人を上限に先着順で整理券を配り、混雑の緩和を図るものだが、実際に入場者が1万5千人を超えたのは、4月22日時点で4月5日に一度あったのみだ。

 22年4月に大天守の工事が本格化する直前の時期には「見納め客」が行列を作り、1日2万人を超える日もあったことを考えれば、再オープン後の反応は案外落ち着いているといえなくもない。

 姫路城管理事務所の春井浩和副所長は「正直、再オープン直後は整理券が早い時間でなくなってしまう日が続くかもしれないと思っていた。だが、ふたを開ければそれほどでもなかったのは意外だった」と明かす。ただ、工事前と違って観光客が城の訪問を急ぐ必要がない点や、平日でもコンスタントに6千〜8千人の入場者があることから、年間では当初の予測通りの数になる手応えを感じているという。

「軍師官兵衛」でつなぐ

 姫路市は工事のため大天守の登閣を禁止していた22年4月から今年3月までの約5年の間、観光客誘致の「つなぎ」の策に苦心してきた。

 工事期間中は城の入場料を400円に下げた一方で、登閣できない間、観光客を引きつける目玉として23年3月から屋根や壁の補修の様子を間近で見学できる施設「天空の白鷺」を設置。昨年1月までの2年10カ月間で延べ184万3千人を集めた。

また、同施設の閉館後の昨年度は姫路ゆかりの戦国武将で、天下人の豊臣秀吉の軍師を務めた黒田官兵衛が主人公となったNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」放映に合わせ、市や商工会議所、観光関係者で「ひめじ官兵衛プロジェクト推進協議会」を結成。黒田家ゆかりの滋賀県長浜市、岡山県瀬戸内市、大分県中津市、福岡市と合同キャンペーンを行うなど観光客誘致や情報発信に力を入れた。

 そうしてしのいできだ間の姫路城の入場者数は、22年度45万7千人▽23年度61万人▽24年度71万人▽25年度88万人▽26年度91万8千人−。市は「入場者はいったんは大きく減りはしたが、官兵衛の人気もあってグランドオープンまでに良い流れを作ることができた」と、今度は新たな仕掛けで大きな飛躍を狙う。

飛躍に向けて次の策は

 再オープンからは新たな形の「おもてなし」も模索している姫路城。城内や周辺エリアで無料の無線LAN環境を整備し、スマートフォンやタブレットをつかったAR(拡張現実)の技術やCG(コンピューターグラフィックス)を活用した展示・解説を開始した。

 城の演出面でも新たな方法を取り入れ、盛り上げる。

 4月3〜12日に城域内で開催した夜桜会期間中には、LED照明によるライトアップを行い、時間ごとに色彩が変化する演出を実施。また、5月3〜5日にはグランドオープンの記念事業の一つとして大天守や小天守の城壁をスクリーンに見立て、3D映像を投影して演出する「プロジェクションマッピング」のショーを初めて行う。

人気を一過性のものに終わらせまいと、市は「三の丸広場の園路整備、広場の芝生化にも取り組み、世界遺産にふさわしい風格やグレードを維持していく」と、さらなる魅力の発信を続けていく。

 3月27日には、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で「死ぬまでに行ってみたい世界の名城25選」として、姫路城とともに選ばれているドイツ南部・バイエルン州のノイシュバンシュタイン城との間で観光分野での友好交流協定を締結した。

 今後具体的な交流内容について協議を進め、「ヨーロッパからの誘客や観光業界の活性化につなげたい」という姫路市。シンデレラ城のモデルになったともいわれ、世界中から毎年年間130万人の観光客が訪れるノイシュバンシュタイン城のように継続的な集客力を発揮できるかどうかは、今後のアイデア次第となる。


姫路城.PNG



世界遺産・国宝の姫路城(兵庫県姫路市)が、5年に及ぶ大天守の修理を終えて3月27日から再オープンし、連日大勢の観光客で活況を呈している。
入場料が修理工事前の600円(15歳以上)から千円(18歳以上、高校生除く)に改定され、全国の城では最も高額になった。
天守閣が残存する城の中でも、大垣城(岐阜県大垣市)のように100円で入場出来るところもある。
強気の価格設定も、姫路城の人気への自信の表れ。
それでも海外の世界文化遺産の入場料より安い。
GWは賑わいそうです。


ラベル:姫路城
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posted by hazuki at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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