2015年01月28日

佐藤優氏「『イスラム国』に交渉の意思ない」 人質事件

佐藤優氏「『イスラム国』に交渉の意思ない」 人質事件
http://www.asahi.com/articles/ASH1X2T9SH1XUTIL006.html?iref=comtop_6_06
2015年1月28日12時33分

元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏の話 24時間の期限を設けたのは「イスラム国」のペースで事態を動かす狙いがあるのだろう。だが、彼らに交渉の意思はないと考えた方がいい。死刑囚の釈放もヨルダンに日本の現地対策本部があることを知って場当たり的に考えた可能性がある。

「イスラム国」人質事件

 「イスラム国」側は、後藤さんを殺すか否かどちらにメリットがあるかを考えているはずだ。安倍首相は後藤さんに向け「日本国民はあなたとともにある。必ず救い出す」とのメッセージを出すべきだ。重要な人だと伝えることで、「生かしておく価値がある」と思わせる必要がある。

 実際、後藤さんに語らせることで、10年前のテロ事件に関わった死刑囚が世界的に大きな話題になり、宣伝効果は大きかった。生きていてくれれば、「イスラム国」の分裂などの変化も望め、奪還も可能になる。

■宣伝効果、高める狙い

 中東調査会の高岡豊・上席研究員の話 交渉期限を24時間に限った画像が流れたのは、「イスラム国」に注目を集め、宣伝効果を高めるのが最大の狙いだろう。日本のメディアが何度も報道することで、すでにその目的を果たせたとも言える。身代金も人質交換の要求も、そこまでこだわっていないのではないか。

 ただ、人質交換を強調したことで、「イスラム国」が仲間を大事にする組織だということは結果的に示した。他の戦闘員やイスラム過激派に対する求心力は高まっただろう。

 現時点で、日本政府ができることには限りがある。これまでの拘束のケースを見ても、事件が表沙汰になると、「イスラム国」は早期に結論を出すことが多い。今はヨルダン政府に対応を任せるしかないように見える。ただ、矢面に立たされているヨルダン政府の決定や対策については、日本側も責任を共有する必要がある。


佐藤優.PNG



元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏の話。
「24時間の期限を設けたのは「イスラム国」のペースで事態を動かす狙いがあるのだろう。だが、彼らに交渉の意思はないと考えた方がいい。」
佐藤優氏は、「「イスラム国」はネットを駆使したコミンテルン」と分析しているようですね。
佐藤優氏の分析は、多分、間違ってないですね。
夕刊フジ(zakzak)のコラムもお読み下さい。



【永田町・霞が関インサイド】「イスラム国」はネットを駆使したコミンテルン 佐藤優氏の秀逸な解析 (1/2ページ)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150127/plt1501271140002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150127/plt1501271140002-n2.htm
2015.01.27

1月13日夜、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏と会食する機会があった。

 その日は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」がインターネット上に人質にとった日本人男性2人のビデオ映像を流し、身代金2億ドル(約236億円)を日本政府に要求した1週間前だった。

 佐藤氏との会話は、いつも刺激に満ちた実りあるものである。

 当夜もまた興味深い話を披瀝(ひれき)してくれたのだが、分けても「イスラム国」についての解析は秀逸であった。

 最近読んだ本の中では、イタリアの女性ジャーナリスト、ロレッタ・ナポリオーニ氏の新刊『イスラム国−テロリストが国家を作る時』(文芸春秋)が参考になるとしたうえで、独自の見立てを開陳してくれた。

 佐藤氏は「イスラム国を一言でいえば、インターネットを駆使したコミンテルンですね」と語った。

 1917年(大正6年)、ロシアでウラジーミル・レーニンが主導した二月革命が勃発。武装蜂起勝利=帝政ロシアの崩壊とその後のソビエト連邦(旧ソ連)誕生の引き金となった。

 そして、2年後の19年3月、ロシア共産党(ボリシェヴィキ)の呼びかけで世界革命の実現を目指す国際組織として「共産主義インターナショナル」(コミンテルン)が創立された。

だが、コミンテルンは武装蜂起、大粛清、反ファシズム、統一戦線などを巡る熾烈な路線闘争を繰り返し、43年5月に解散した。

 イスラム教のカリフ(預言者・ムハンマドの後継者)に選ばれたアル・バグダディ率いる「イスラム国」を現代のコミンテルンとする佐藤氏は、次のように指摘した。

 「教条主義的なアルカーイダとは全く異なり、現実主義的武装集団です。暴力とイスラム法というムチと、フェイスブックやツイッターなどを使った魅力的なプロパガンダや支配地域のスンニ派住民の生活向上・行政組織確立というアメを使い分けている。実に巧妙だ」

 そして、同国の指導者・バグダディは今や「預言者」と化しつつあるというのだ。

 だが、その実態はイラクの米軍収容施設で“捕虜”経験があることでも分かるが、ソーシャルメディアを駆使して新しい神話を広めているに過ぎない。

 テロという恐怖に対して現代人が不合理な反応をすることを知っているのだ。それが、これまでの人質処刑という残虐を引き起こしたのである。 (ジャーナリスト・歳川隆雄)




朝日新聞の安江塁の関連リンク

イスラム過激派に湯川遥菜氏の情報を提供した朝日新聞のジャーナリスト安江塁がブログで謝罪
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/404229363.html

イスラム過激組織、スパイ扱い=「悲劇的な結末」と投稿−千葉の湯川さんか・シリア
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/403928137.html




参考

[イスラム国邦人人質] 最初の映像、合成ではない…警察庁科警研が分析
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/413106047.html

ヒゲの隊長 邦人拘束で国民VS政府の構図化に釘さす
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412969687.html

人質事件の対応評価60% 世論調査、内閣支持率横ばい(共同通信)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412954692.html

[イスラム国殺害予告] 殺害警告期限は23日午後=菅長官
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412722941.html

[イスラム国殺害予告] [新華通信] イスラム国、拉致者が2億ドルの身代金を要求、安倍首相が中東訪問に代償を払う
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412715459.html

[イスラム国殺害予告] 「72時間」起点はいつ? 撮影時かネット公開時か、政府に戸惑い
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412701435.html

[イスラム国殺害予告] 首相官邸警備を強化=動画声明名指しで−日本標的テロ警戒・警視庁
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412686211.html

[イスラム国殺害予告] 人質の日本人、表情を変えず 「イスラム国」の動画
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412685078.html

[イスラム国殺害予告] 首相、対イスラム国に積極関与を表明 ヨルダンに120億円支援
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412683880.html




関連

「自己責任論」で中世に退行する日本(古谷経衡氏)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412949003.html

[NET TV ニュース.報道] 国家非常事態対策委員会 2015 0123 ISIS 人質事件は芝居劇(ベンジャミン・フルフォード)
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412879238.html

“殺害期限”をカウント? フジ「めざましテレビ」に非難の声
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412834771.html

[イスラム国殺害予告] 作家・平野啓一郎「自己責任論」に違和感 「突き放してしまう冷たさなんなのか
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412811353.html

山本太郎、仰天のツイート「2億ドルの支援を中止して下さい」
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/412778551.html
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