http://news.infoseek.co.jp/article/businessjournal_75621
Business Journal(2014年7月10日01時00分)
安倍政権が進めようとしているホワイトカラー・エグゼンプション(以下、WE)。残業代ゼロルールとも呼ばれるこの制度は、労働時間に関係なく仕事の成果に対して賃料が支払われる仕組みで、要するに残業代が支払われない。具体的には年収1000万円以上、職務範囲が明確で高度の職業能力を持つ会社員を対象に認めようとするものだが、公務員には適用除外だという。今回は、その点を国会で追及している柚木道義衆院議員(民主党)に話を聞いた。
--柚木議員がWE導入に反対の理由を教えてください。
柚木道義議員(以下、柚木) WEは安倍晋三首相が推し進める成長戦略の目玉ですが、実はこの制度はもう古い。アメリカではインフレを反映せず、賃金下降や労働時間の延長などで貧困を余儀なくしているとして、見直しに入っています。日本でも最近、裁量労働制で労働時間規制の適用除外になれば、労働時間は平均して数%延長するという実証研究が発表されました。メンタルヘルスの深刻化や過労死の増大につながりかねない重要な問題です。
--そのような制度を、なぜ日本は導入しようとしているのですか?
柚木 それは「目先の改革」だから。もしWEが本当に残業を減らし、生産性を上げる素晴らしい制度なら、まず国家公務員に適用して手本を見せるべきです。ところが厚生労働省は「公務員には労働基準法が適用されないから、産業競争力会議でWEを適用するか否かは議論しない」と、これを拒否しています。その点を6月4日の衆院厚生労働委員会では私が質問すると、田村憲久厚生労働大臣のそばに控えていた官僚たちが、「我々に適用なんてとんでもない」と一斉に手を横に振りました。
--自分たちには適用されたくないということでしょうか?
柚木 国家公務員の給与には、もともと残業予算が割り振りされています。民間企業にWEを導入して残業代ゼロにするならば、公平を期すために、国家公務員にもこうした「見なし残業」の予算を振り分けるべきではありません。
そもそも安倍政権は一部の大企業の利益しか考えていません。復興特別法人税は1年前倒しで廃止になりました。そして法人税減税です。現行では国税と地方税を合わせて実効税率がおよそ35%ですが、これを仮に25%まで下げると、5兆円分の減税効果があります。
もし法人税減税の代わりに、この分を企業の社会保険料等の負担軽減に充てるとしたらどうでしょうか。中小企業にとって社会保険料の負担は重くのしかかるものですが、それを取り除けば幅広い雇用創出効果が生まれるはずです。
--WEと法人税減税は、いずれも財界から歓迎されていますね。
柚木 経団連会長に就任した榊原定征・東レ会長は、WEの適用拡大を望むと言及すると同時に、政治献金の再開をほのめかしています。企業の負担が軽くなれば、多少の献金をしても十分に「もと」はとれるという計算があるわけです。こうしたタイミングで大企業重視の政策を打ち出す安倍政権は、労働者の権利と引き換えに政治献金をもらうと批判されても仕方ないでしょう。
(構成=安積明子/ジャーナリスト)
公務員には適用除外だという残業代ゼロ法案について、民主党の柚木道義議員に聞く。
ホワイトカラー・エグゼンプション(以下、WE)は、もう古い。
アメリカではインフレを反映せず、賃金下降や労働時間の延長などで貧困を余儀なくしているとして、見直しに入っている。
もしWEが本当に残業を減らし、生産性を上げる素晴らしい制度なら、まず国家公務員に適用して手本を見せるべき。
最近、民主党の議員が残業代ゼロ法案について、頑張っていますね。
共闘出来る部分は共闘しないと。
参考
元財務官僚 仕事を早く処理して帰宅しても残業代ついていた
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/400194977.html
大臣いつまで…田村厚労相が暴露した残業代ゼロ法案の正体
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/399891441.html
安倍首相が言外に認めた 「年収600万円も残業代ゼロ」へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/399805511.html
欧米と逆行 公務員は適用外「残業代ゼロ」のマヤカシ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/398996441.html
残業代ゼロ、導入の方針 ⇒ 幹部候補に限定、年収は問わず ⇒ 「低所得者が対象ありえない」田村厚労相
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/398117893.html
ラベル:残業代ゼロ法案
【関連する記事】
- [健康保険法改正案] 4月19日、健康保険法などの改正案 参院本会議で審議入り ..
- [第13次地方分権一括法案] 4月19日、地方分権一括法が参院通過 共産党は住民..
- [合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案] 4月1..
- [衆院憲法審査会] 4月13日、“憲法9条に自衛隊 明記の是非” 各党が主張
- [マイナンバー法改正案] 4月14日、マイナンバー利用範囲拡大へ 法案が衆院本会..
- [出入国管理法改正案] 4月13日、“収容の在り方見直す” 出入国管理法改正案が..
- [健康保険法改正案] 4月13日、後期高齢者医療制度「保険料上限額引き上げ」 改..
- [合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案] 4月1..
- [IR推進本部] 3月14日、大阪のIR整備計画を認定 IR推進本部で決定 全国..
- 大阪のカジノIR、政府が認定へ 近く決定、長崎は見送り案浮上(共同通信2023年..
- [防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案] 4月..
- [衆院憲法審査会] 4月6日、自民の“9条改正”に立民が疑念を主張
- [第13次地方分権一括法案] 4月5日、参院地方創生及びデジタル社会の形成等に関..
- [第13次地方分権一括法案] 3月3日、住基ネットで土地所有者特定 地方分権一括..
- [配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律案] ..
- [新型インフルエンザ特措法改正案] [内閣法改正案] 4月7日、参院本会議で「内..
- [防衛財源確保の特別措置法案] 4月6日、衆院本会議で防衛費増額に向けた法案の審..
- [国家戦略特区法改正案及び構造改革特区法改正案] 4月4日、国家戦略特区法など改..
- [新型インフルエンザ特措法改正案] [内閣法改正案] 3月30日、「内閣感染症危..
- [衆院憲法審査会] 3月30日、立民 小西議員の憲法論議めぐる発言 “発言切り取..