真央「私は何とも思っていないけど森さんは…」
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2014/skate/20140225-OYT1T00765.htm?from=top
「諦めなければ目指しているものができる」――。
フィギュア女子の浅田真央選手(23)は25日、東京都内で開いた記者会見で、日本中を感動させたフリーの演技をそう振り返った。現役続行は「五分五分」と話した浅田選手。氷上では涙をみせたこともあったが、この日は終始、和やかな表情で、「真央ちゃんスマイル」ものぞかせた。
成田空港に到着してから約2時間後、浅田選手は日本外国特派員協会(千代田区)で、一人で会見に臨んだ。
16位に沈んだショートプログラム(SP)後の心境を「どん底まで落ち込んだ」と振り返った。フリーでは、こだわってきた代名詞のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させ、「私を強くもさせてくれるし、成功すると達成感でいっぱいになる。一番の見せ場で外すわけにはいかなかった」。
フリーの演技後、天井を見上げてこぼした涙については「不安や恐怖心を乗り越えて最高の滑りができたので、ホッとしたのとうれしさのあまり、本当は笑顔が良かったけれど泣いてしまいました」とはにかんだ。
現役続行については「3月の世界選手権を終えてから落ち着いて考えたい」と話した後、少し上を向いて考え込み、「今のところはハーフ、ハーフ(五分五分)ですね」と答えるにとどめた。
一方、2020年東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会会長を務める森元首相が20日、SPの演技を「ひっくり返ってしまった。あの子は大事な時には必ず転ぶ」と評したことについて感想を聞かれると、「人間なので失敗する。失敗したくて失敗はしない」ときっぱり。「私は何とも思っていないけれど、森さんはああいう発言をしてしまったことを少し後悔しているのでは」と笑いを誘った。
(2014年2月25日14時52分 読売新聞)
森元首相が20日、SPの演技を「ひっくり返ってしまった。あの子は大事な時には必ず転ぶ」と評したことについて感想を聞かれると、「人間なので失敗する。失敗したくて失敗はしない」ときっぱり。「私は何とも思っていないけれど、森さんはああいう発言をしてしまったことを少し後悔しているのでは」と笑いを誘った。
森さんは失言癖を直すよう努力した方が良いですよ。
浅田真央ちゃんのフリーの演技は素晴らしかったです。
世界から尊敬される浅田真央ちゃんです。
お疲れ様です。
【ソチオリンピック】【浅田真央】『女子 フリープログラム』
失言癖が治らぬ森元首相「真央は必ず転ぶ」で広がる波紋 by久田将義
http://n-knuckles.com/serialization/hisada/news001248.html
2014年02月22日
2月21深夜、日本の女子フィギュアスケート陣が感動を与えてくれた。鈴木明子、村上佳奈子両選手の頑張り、試合後の鈴木選手のコメント「遅咲きでも可能性がある事を知ってほしい」旨の発言なども素晴らしかった。
そして、称賛の嵐だった、エース浅田真央選手のスケーティング。彼女の精神力に世界中が驚愕し、また涙する人もいたに違いない。視聴していた素人の僕でさえ、鳥肌が立つほどだった。画面を通してでさえ、鬼気迫るものがあった。
前日SP16位から、どうやってもメダル獲得は無理だろうという空気の中でのスケーティングだ。野球だと、九回ツーアウトからの逆転がありうる。反対にラグビーなら残り、一分で十点差がついていると、ひっくり返すのは無理だ。そういう時、選手ははっきり言って負けを覚悟する。しかし、それでも自分たちの練習の成果を無駄にしまいと体を張る。
浅田選手の心境はどうだったのだろう。メダルは取れないと悟りつつ(現に21日のコメントではそういう発言だった)パーフェクトな演技。奇跡のスケーティング。何という精神力。彼女は自分に打ち勝ったのだ。
そこに例の水を差す発言、森喜朗元首相・現東京五輪組織委員会会長(76)の「あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね」である。これはツイッターでも非難轟轟だった。「森」で検索するだけで、「老害」「真央ちゃんに謝れ」といった趣旨のツイートが続出。僕はさすがに失言が過ぎると感じ、「前後の文脈がわからないが」という前提で、この発言だけみると選手を冒涜していると思った。そこで問題になるのが「前後の文脈」である。
TBSラジオの番組「荻上チキ session22」公式ウェブサイト(http://www.tbsradio.jp/ss954/2014/02/post-259.html)では、その森元首相の講演での発言を書き起こしている。それによると、その後の発言はこうだ。
「開会式の翌日に団体戦がありましたね、あれはね、出なきゃよかったんですよ日本は。(略)せめて浅田さんが出れば3回転半をすると、3回転半する女性がいないというので、彼女が出て3回転半すると、ひょっとすると3位になれるるすもしれないという淡い気持ちでね。浅田さんを出したんですが。(略)結局、団体戦も惨敗を喫したという。その傷が浅田さんに残っていたとしたらものすごくかわいそうな話なんですね」
ここまで読むと、浅田選手を団体戦に出場させたスケート首脳陣を批判しているように見える。またこう続けている。
「転んだという事が心にやっぱ残っていますから、今度自分の本番のきのうの夜はですね、(略)なんとしても転んじゃいかんという気持ちが強く出てたんだと思いますね(略)だからそういうふうにちょっと運が悪かったなと思ってみております」
森元首相がどの程度、浅田選手の心情やスケート首脳陣の狙いを理解しているのかわからないが、これだけ読むと「団体戦に出すべきではなかった。そのせいで浅田選手に余計なプレッシャーを与える結果となった。個人戦に集中させるべきだった」という意味にとらえられる。浅田選手が団体戦に出場した事は個人戦にどのような影響を与えたのか。SPはあのような結果になったのか。時間をおいて専門家たちの解釈を待ちたいと思う。だが、これは別次元の問題である。
その指摘が万が一、当たっていたとしても冒頭の「あの子、大事な時には必ず転ぶんですね」は完全にアウトだろう。トップアスリートに対してねぎらいの気持ちやリスペクトがあまりに欠ける発言で、自国の代表選手をわざわざ「必ず失敗する」と断言する思考は理解に苦しむ。これまで何回浅田選手のスケーティングを見てきたというのか。デリカシーのない罵倒ともとれる発言が今や国民的ヒロインである浅田真央選手に向けられたのだから、いかに森元首相が国民感情とかけ離れているか。一連の非難は全文読んだとしても自業自得だと思える。真意がどうであれ、嫌悪感しか与えない言葉選びのセンスは、まさに失言金メダリストといってもいいだろう。
このデリカシーの無さで過去、何度も同じようにマスコミから総叩きにあっている森氏だが、その悪癖はいまだ治まっていない。なんとかは死んでも直らないというが、「おもてなし」を売りとした東京五輪・パラリンピックの組織の長はこんな男だ。2020年の開催まで残り5年、先が思いやられてしまう。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
Photo by 浅田真央 そして、その瞬間へ
ラベル:スポーツ
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