重要施設周辺土地等 利用規制盛り込んだ法案 衆議院で審議入り
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210511/k10013024451000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_058
2021年5月11日のNHKニュースより転載
安全保障上重要な施設周辺の土地や建物について、売買の際に事前の届け出を義務づけるなどの利用規制を盛り込んだ法案が11日、衆議院で審議入りしました。
衆議院本会議で審議が始まった法案では、自衛隊の基地や原子力発電所などの重要インフラ施設の周辺おおむね1キロの範囲、それに国境に近い離島などを「注視区域」に指定し、国が土地などの所有者の氏名や国籍などを調査できるとしています。
このうち、司令部の機能がある自衛隊の基地周辺や国境に近い無人島など、特に重要性が高い区域を「特別注視区域」と定め、一定以上の面積の土地などを売買する際には氏名や国籍などを事前に届け出ることを義務づけています。
領土問題を担当する小此木国家公安委員長は「防衛関係施設などの周辺や国境離島などで外国資本が土地を買収していることは、安全保障の観点から長年、問題視されてきた課題だ。土地の管理を含め万全の対策を講ずる必要がある」と強調しました。
そのうえで「国が安全保障の確保という大義のもと、土地に関する私権を過度に制限するのではないかという不安も指摘されている。土地などの取得や所有に対する幅広い規制にまでは踏み込まず、安全保障と自由な経済活動の両立を図る枠組みにした」と述べ、早期成立に協力を求めました。
衆議院インターネット審議中継
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=52134&media_type=
2021年5月11日 (火)
本会議 (2時間06分)
案件:
新議員紹介
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(204国会閣51)
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(204国会条5)
所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約の締結について承認を求めるの件(204国会条6)
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とジョージアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(204国会条7)
日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の規定の適用範囲に関する交換公文を改正する交換公文の締結について承認を求めるの件(204国会条11)
日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(196国会衆42)
全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(204国会閣21)
重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案(204国会閣62)
発言者一覧
説明・質疑者等(発言順): 開始時刻 所要時間
大島理森(衆議院議長) 13時 02分 01分
伊東良孝(地方創生特別委員長) 13時 03分 04分
あべ俊子(外務委員長) 13時 07分 04分
細田博之(憲法審査会会長) 13時 11分 04分
とかしきなおみ(厚生労働委員長) 13時 15分 04分
小此木八郎(国家公安委員会委員長 国土強靭化担当 領土問題担当 内閣府特命担当大臣(防災 海洋政策)) 13時 19分 04分
中谷真一(自由民主党・無所属の会) 13時 23分 16分
篠原豪(立憲民主党・無所属) 13時 39分 33分
濱村進(公明党) 14時 12分 16分
赤嶺政賢(日本共産党) 14時 28分 17分
浦野靖人(日本維新の会・無所属の会) 14時 45分 09分
岸本周平(国民民主党・無所属クラブ) 14時 54分 12分
答弁者等
大臣等(建制順):
武田良太(総務大臣)
茂木敏充(外務大臣)
岸信夫(防衛大臣)
【衆院本会議】重要土地等調査法案の問題点を追及、篠原豪議員
https://cdp-japan.jp/news/20210511_1341
2021年5月11日の立憲民主党HPより転載
衆院本会議で11日、「重要施設周辺等における土地等利用状況調査・利用規制等に関する法律案」(重要土地等調査法案)に関する趣旨説明と質疑が行われ、立憲民主党の篠原豪議員が会派を代表して登壇。本法案が平常時の土地取引行為や私権設定に大きな影響を及ぼすことから、(1)法案の目的や手段の合理性(2)規制対象となるべき行為(3)個人情報の取扱い方法――などに関する政府案の問題点をただしました。
本法案の主な内容は、防衛関係施設や国境離島等の機能を阻害する土地の利用を防止するため、注視区域及び特別注視区域の指定、注視区域内にある土地等の利用状況の調査、当該土地等の利用の規制、特別注視区域内にある土地等に係る契約の届出等の措置について定めるというもの。
篠原議員は冒頭、近年のグローバル化した世界において、伝統的な安全保障に加え、経済安全保障の重要性が指摘されていると説き、「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用についても、国会において十分議論をし、安全保障上の懸念を払拭する法律案を得ることは極めて重要だ」との認識を示しました。
その上で、まず本法律案の目的や手段が立法事実に基づいて合理的なものになっているかをただしました。「国土利用の実態把握等に関する有識者会議」が、防衛施設や国境離島周辺の土地の利用を巡って「経済合理性を見出し難い、外国資本による広大な土地の取得が発生する中、地域住民をはじめ、国民の間に不安や懸念が広がっている」と指摘したことを受けて、政府が今回の立法化に至っているため、「安全保障上重要な施設の周辺や国境離島などで、安全保障上のリスクとなるような土地取引が行われたと認識しているか」と質問しました。小此木内閣府担当大臣は、安全保障のリスクを回避することを理由に「答弁は適当でない」と言及を避けました。
次に規制対象とする土地利用に関して「重要施設又は国境離島等の機能を阻害する行為」としか規定していないことについて迫りました。これだけでは「十分な予見可能性がない」と指摘し、規制する側の判断に規制される側が同意しない可能性があると懸念を示しました。それを回避するため、「重要施設又は国境離島等の機能を阻害する行為」として想定される具体的な行為として、(1)施設の運営に支障をきたす構築物の設置(2)電波妨害、施設への侵入の準備行為(3)低潮線近傍土地等への形質変更を法律で明示するよう求めました。
さらにこの法案で導入される「土地等の利用状況の調査」と個人情報の取り扱いについてただしました。篠原議員は、「個人情報の取り扱い方法について、法律案になんの規定も設けていないことは、根本的な欠陥だ」と厳しく指摘しました。本来、国への個人情報の提供は、各々別個の目的を持った法律に基づいて行われ、本人の同意がない限り他に流用することが許されるものでないと言及。ところが、今回の情報収集の目的が「安全保障上のリスク対象であるか否かの判断材料にすることにあり、場合によっては懲役刑に付される可能性もある。これは明らかに目的外使用に当たるのではないか」と疑問を呈しました。小此木大臣は法案の第7条で内閣総理大臣が関係する行政機関や地方公共団体に必要な情報提供を求めることができるという規定を設けていると説明しました。
土地利用規制法案に対する赤嶺議員の質問 衆院本会議
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-05-12/2021051204_02_0.html
2021年5月12日の赤旗より転載
日本共産党の赤嶺政賢議員が11日の衆院本会議で行った、土地利用規制法案についての質問の要旨は次の通りです。
本法案は、政府が安全保障上重要とする全国の米軍・自衛隊基地、海上保安庁の施設、原発などの周囲約1キロメートルと、国境離島で暮らす住民を監視対象にし、土地・建物の利用を中止させることを可能にするものです。憲法の平和主義と基本的人権をふみにじる違憲立法にほかなりません。
基地周辺住民は、軍用機の墜落や部品落下、爆音、環境汚染、軍関係者による犯罪など基地あるがゆえの被害に日常的に苦しめられています。とりわけ、沖縄の住民は、米軍占領下で一方的に土地を奪われ、基地周辺に住むほかなかったのです。国策により、負担を強いてきた住民を監視の対象にするとは一体どういうことですか。住民を愚弄(ぐろう)するものです。
政府は、法整備の根拠として、北海道千歳市や長崎県対馬市の自衛隊基地周辺の土地を外国資本が購入したことを挙げますが、それらが一部メディアで取り上げられるようになったのは10年以上も前のことです。
当初から政府自身が運用に支障が生じるような事態は確認されていないと答弁し、さらに2013年度以降、2度にわたり、全国約650の米軍・自衛隊基地の隣接地を対象に、約6万筆、8万人近くの所有者らを調査しましたが、結果は同じでした。法案の必要性、立法事実が存在しないではありませんか。
政府がこうした法整備に踏み切ることは、排外主義的な主張にお墨付きを与え、特定の国に対する差別と偏見を助長することになるのではありませんか。
重大なのは、どこで誰をどのように調査・規制するかという核心部分を政府に白紙委任していることです。何カ所の施設と離島を対象に検討し、どういう基準で指定するのですか。「特別注視区域」の指定基準は何ですか。
調査範囲を拡大すれば、膨大な数の国民が調査対象にされるのではありませんか。
重要施設や国境離島の機能を阻害する行為やその明らかなおそれがあれば、土地・建物の利用を中止させるとしていますが、どう判断するのですか。
公募情報にとどまらず、職歴や海外渡航歴、思想・信条、家族、交友関係まで調査するのではありませんか。
沖縄では辺野古新基地建設に抗議の座り込みが続いていますが、こうした活動に機能阻害行為を適用するのですか。憲法が保障する基本的人権と民主主義、地方自治を守る活動を処罰の対象にするなど断じて容認できません。本法案は廃案にすべきです。
【衆本会議】岸本選対委員長が「重要土地等調査法案」について質疑
https://new-kokumin.jp/news/diet/2021_0511
2021年5月11日の国民民主党HPより転載
岸本周平選挙対策委員長(衆議院議員/和歌山1区)は11日、衆議院本会議において、重要土地等調査法案について質問しました。質問内容は以下の通り。
重要土地等調査法案に関する代表質問
2021年5月11日
国民民主党 岸本周平
国民民主党・無所属クラブの岸本周平です。本法案について会派を代表して小此木八郎大臣(領土問題担当特命大臣)へ質問いたします。
我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏まえ、いわゆる重要施設周辺や国境離島等の区域内にある土地等について、その機能を阻害する行為の用に供されることを防止することの重要性は言うまでもありません。このタイミングで政府から法案が提出されたことは評価したいと思います。
一方で、刑事罰に担保された取引の事前の届け出や利用規制など、私権を制限する内容を含むものでありますので、通常の経済活動に悪影響を与えないようにすることが肝要です。
まず、自衛隊の施設や米軍基地、海上保安庁の施設などの「重要施設」の周辺おおむね1000mの区域を「注視区域」とすることは、「重要施設」の存在する市町村の経済活動にどのような影響があると考えるかおうかがいします。特に、「特別注視区域」に指定された場合には、調査対象になるのみならず、事前届け出の対象になり、通常の不動産取引に悪影響を及ぼすのではないか。200uという面積の制限は妥当なのかお聞きします。
重要施設として、「生活関連施設」が定義されていますが、国民保護法に基づく「生活関連等施設」とは同じなのですか、異なるのですか。原子力関係施設、自衛隊が共用する民間空港、鉄軌道施設、放送局、ダムなどのインフラ施設も対象になるのでしょうか。
経済活動に大きな影響を与える可能性があるため、「注視区域」を指定する場合に、関係機関の長への協議や土地等利用状況審議会の意見聴取が定められていますが、さらに区域指定についての一般の意見公募や国会報告を追加し、民主的な統制を行うべきではないかうかがいます。
また、届出事項として、契約当事者に関する情報が定められていますが、現実の土地取引の慣行等を考えると、「売り主の前の所有者に関する情報」についても対象とすべきではないでしょうか。
そして、調査の結果、機能阻害行為の用に供し、または供する明らかなおそれがあると認められる時には、利用中止などの「勧告」、さらには正当な理由なく「勧告」に従わない時には「命令」が出されます。この命令違反には2年以下の懲役または200万円以下の罰金という刑事罰がくだされます。
そうだとすると、この機能阻害行為に関しては、具体的な予見可能性が必要だと考えます。たとえば、航空法第73条の4第5項では、命令の対象となる「安全阻害行為等」に関して、「乗降口または非常口の扉の開閉装置を正当な理由なく操作する行為、便所において喫煙する行為、航空機に乗り組んでその職務を行う者の職務を妨げる行為」などの例示が列挙されています。
しかし、本法案の条文には阻害行為の例示すらありません。阻害行為の具体的な内容は、政府の「基本方針」に丸投げになっています。国民の権利義務に重大な影響を与える問題ですから、少なくとも法律の明文上、「施設の運営に支障をきたす構築物の設置」、あるいは「電波妨害、施設への侵入の準備行為」など具体的な機能阻害行為の例示が必要だと考えますがいかがでしょうか。
また、国民の権利義務に重大な影響を与える「勧告」や「命令」に関しては、民主的統制の観点から、その実施状況について国会への報告を求めるよう法律で明確に定めるべきだと考えますがいかがでしょうか。
以上につき、合理的な説明をいただけない場合には、委員会質疑を通じて、建設的な修正提案をさせていただくことを申し添え、民主的統制の観点から立法府として最低限の関与が必要であることを強く訴えて質問を終わります。
5月11日、衆院本会議。
重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案(重要土地等調査法案)を議題とした。
小此木八郎国務大臣より趣旨説明を聴取した。
自民党の中谷真一氏、立憲民主党の篠原豪氏、公明党の濱村進氏、共産党の赤嶺政賢氏、日本維新の会の浦野靖人氏、国民民主党の岸本周平氏が、小此木八郎国務大臣、武田良太総務大臣、茂木敏充外務大臣、岸信夫防衛大臣に対して、それぞれ質疑を行った。
自衛隊基地、原発などの施設周辺や国境離島を外国資本に押さえられ、日本の安全確保が脅かされる事態を防ぐのが狙い。
自衛隊基地、原発などの施設周辺や国境離島に限定すると、それ以外の土地を外資が買収しないだろうか?
それにしても、共産党の赤嶺政賢氏の代表質問は残念です。
辺野古基地問題を取り上げ、法案を廃案にすべきとしている。
「法案の必要性、立法事実が存在しない」というのも間違っている。
これに関しては共産党には期待出来ない。
法案に不備があれば、国民民主党の岸本周平氏の質疑のように修正案を提出すべきである。
安全保障上、早期に法案を成立させるべきである。
参考
[重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案] 3月26日、土地規制法案を閣議決定 安保関連施設の周辺対象
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/480702112.html
関連
安全保障上 土地売買など規制の法案 自民の総務会で了承
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/480641309.html
自衛隊基地など周辺土地売買規制法案 自公で調整後 国会提出へ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/480341732.html
外資の土地買収 情報の一元管理を提言 政府の有識者会議
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/479181577.html
外資土地買収 法整備含め年内提言へ 政府有識者会議
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/478433219.html
外国資本などの土地買収 新制度含め検討 小此木国家公安委員長
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/477867204.html
ラベル:土地規制法案