参議院インターネット審議中継
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2021年4月23日
本会議
約2時間24分
案件
少年法等の一部を改正する法律案(閣法第35号)
自然公園法の一部を改正する法律案(閣法第48号)
国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆第14号)
発言者一覧
山東昭子(参議院議長)
上川陽子(法務大臣)
磯崎仁彦(自由民主党・国民の声)
真山勇一(立憲民主・社民)
伊藤孝江(公明党)
清水貴之(日本維新の会)
川合孝典(国民民主党・新緑風会)
山添拓(日本共産党)
長浜博行(環境委員長)
水落敏栄(議院運営委員長)
【参院本会議】真山勇一議員、「刑事罰の若年化は認められない」少年法改正について
https://cdp-japan.jp/news/20210423_1239
2021年4月23日の立憲民主党HPより転載
参院本会議で23日、「少年法等の一部を改正する法案」について趣旨説明と質疑が行われ、「立憲民主・社民」会派を代表して真山勇一議員が登壇しました。
冒頭、真山議員は菅総理に日米首脳会談の成果について台湾や沖縄県・尖閣周辺の安全保障や今後の外交戦略について質問し、日米同盟を強化しつつも、日中関係の改善に取り組むよう進言しました。新型コロナウイルス感染症対策について、 ワクチンの接種が進まなかった場合、菅総理は内閣総辞職の覚悟があるかただしました。また、東京オリンピック・パラリンピックについて、 万一、感染が収まらず、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されているような状況だったとして、本当にオリンピックを開催するのか菅総理に確認しました。菅総理はこれまでの答弁を繰り返し、全力で感染防止に取り組んでいく考えを示しました。
真山議員は十数年間、保護司を務めてきた経験を基に「本改正案の柱は18歳、19歳を『特定少年』として区別することです。若者の更生という観点からは大きな後退です。刑事罰の若年化が狙いなら、その理由が説明されておらず、必要性も認められません」と断じました。
改正の理由として「成年年齢の引き下げ等の社会情勢の変化」と「少年による犯罪の実情」が挙げられていますが、「最新の知見によると、人間は25歳頃まで発育途上にあり、教育及び更生の効果が高いと言われています。 法律上の成年年齢が18歳に引き下げられても、健全な発育を考えて、お酒やタバコは20歳まで禁じられています。若さゆえに罪を犯したとはいえ、更生できる若者は更生すべきです」と現行の更生保護行政や再犯防止制度を転換しようとする政府の姿勢を批判しました。
また、政府は改正理由に「少年による犯罪の実情」を挙げていますが、若年人口の減少によって少年犯罪の全体数は減り続けており、凶悪犯罪の数は人口が減少する以上の速度で減っているのが実情だと説明しました。
特定少年の検察への逆送致について、 現行の「故意による被害者死亡」の場合から大幅に拡大されるもので、極めて広い範囲の犯罪が含まれると懸念を示し、 再犯防止の点からも逆効果となるのではと指摘しました。
特定少年に対する保護処分について、 現行の少年法は少年の健全な育成を重視して、「犯情の軽重」を問わずに保護を要するとしているが、これが大転換されると説明。「改正案では、育成や更生の効果が十分に出る前に保護処分が終了することは起きないのか」苦言を呈しました。
推知報道禁止の解除規定について、本改正案では、特定少年が公判を請求された時点で実名での報道が認められると指摘し、上川法務大臣に「実名報道により、少年犯罪への抑止効果があると考えているのか」とただしました。「本来なら、加害者側の実名報道を推進するのではなく、被害者側の名前の報道についても、本人とご遺族の心情や生活の立て直しに配慮し、抑制をするべきではないでしょうか」と進言しました。
特定少年からぐ犯(愚犯)を除外する理由について、少年は全て要保護性に基づく処分が必要だというのがこれまでの少年法の趣旨で、司法の現場に携わる人々からは、ぐ犯とする家庭裁判所の司法手続きは選択肢として極めて有効であり、セーフティネットの役割を果たしていると指摘し、少年が更生し自立できるためのセーフティネットの必要性を訴えました。
具体的な質問は以下のとおりです。
■本改正案の提出理由について
・今回の改正の柱は、18歳、19歳を「特定少年」として区別することです。若者の更生という観点からは大きな後退です。刑事罰の若年化が狙いなら、その理由も説明がなく、必要性も認められません。なぜこの法案を提出したのでしょうか
・改正の理由として「成年年齢の引き下げ等の社会情勢の変化」と「少年による犯罪の実情」ということが挙げられています。具体的にこれが何を意味するのかご説明下さい
・「成年年齢の引き下げ」と少年法の改正とに、いったいどんな関係があるのでしょうか。最新の知見によると、人間は25歳頃まで発育途上にあり、教育及び更生の効果が高いといわれています。法律上の成年年齢が18歳に引き下げられても、健全な発育を考えて、お酒やタバコは20歳まで禁じられています。若さゆえに罪を犯したとはいえ、更生できる若者は更生すべきです。政府は今回の改正案で更生保護行政や再犯防止制度を大転換するわけですが、現行の制度に致命的な失敗や欠点があり、早急に改めるべき点が何かあるのでしょうか。
・「少年による犯罪の実情」と言いますが、若年人口の減少によって少年犯罪の全体数は減り続けています。そして、凶悪犯罪の数は人口が減少する以上の速度で減っているのが実情です。凶悪な犯罪がひとつ起きるとメディアで大きく報道されるため、確かに目立ちますが、実態は減少傾向にあるのです。むしろ従来からの更生保護行政の成果もあって、状況は大いに改善してきているというのが実情ではないでしょうか。少年犯罪の数、ことに凶悪犯罪の件数は増えているのか、減っているのか、上川法務大臣、具体的な数値でお示しください
・私は十数年間、保護司をしてきましたが、今回の少年法改正には、強い違和感を持っています。上川大臣は先日の京都コングレスにおいて、日本の保護司制度をローマ字の「HOGOSHI」として世界に広め、「世界保護司デイ」を設けると宣言されました。それなのに、今、このような少年法の改正を必要とするほど、保護司による更生保護の取り組みは効果がなかったのでしょうか
■ 特定少年の検察への逆送致について
・18歳、19歳を「特定少年」とし、原則として「短期1年以上」の刑にあたる事件は一律に検察への逆送の対象になります。これは現行の「故意による被害者死亡」の場合から大幅に拡大されるもので、極めて広い範囲の犯罪が含まれることになります。現行の少年法は対象者の立ち直りを考慮し、家庭裁判所がきめ細かい処分を行うことを考えていますが、その趣旨に反して、再犯防止の点からも逆効果となるのではという指摘があります。なぜ、一律の逆送致が必要なのか、理由をお示し下さい
・この基準が適用された場合、逆送致される特定少年の数はどの程度、増えるのか
・家庭裁判所の調査数、少年鑑別所の全体の鑑別数はどの程度、増加するのか。それに対応する十分な人員が確保されているのか
・また、改正後の第62条第2項ただし書には、「短期1年以上」の罪であっても逆送致にしない例外事案もあり得るとの規定もあります。どんな例外があり得るのか、恣意的判断や社会的圧力によって判断が歪められることのないよう、はっきりとした基準をお示し下さい
■特定少年に対する保護処分について
・本改正案では、特定少年に対する保護処分は「犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内」とされました。現行の少年法は個々の少年の健全な育成を重視して、「犯情の軽重」を問わずに保護を要するとしていますが、これが大転換されます。改正案では、育成や更生の効果が十分に出る前に保護処分が終了することは起きないのでしょうか
・施設収容をしない6カ月の保護観察処分が新設されます。このような短期間の処分でも十分な場合とはどのような事案か、その理由とともに具体的にお示し下さい
・施設収容可能な2年の保護観察処分が新設されます。これはどのような場合でしょうか
・2年という期間にする理由は何でしょうか
■推知報道禁止の解除規定について
・本改正案では、特定少年が公判を請求された時点で実名での報道が認められます。これは一体、何を目的とした改正でしょうか。法務大臣は実名報道により、少年犯罪への抑止効果があると考えているのでしょうか
・その一方、刑事裁判所の事実審理の結果、家庭裁判所への移送もあり得るとされます。この時点で、すでに広く推知報道がなされているのですから、少年法の理念とは矛盾していませんか。審理の結果、無罪になる可能性は否定できません。社会復帰を支援する家族の生活にも著しい困難をもたらし、帰住先を失うことで対象者の更生を妨げる恐れも指摘されています。こうした推知報道による回復不能の事態に対する救済措置、回復措置等を考えておられるのでしょうか
・事件報道の中で被害者の名前が報道されるのだから、加害者も特定少年であってもその名を報道されるべきという意見があると聞きました。しかし、本来なら、加害者側の実名報道を推進するのではなく、被害者側の名前の報道についても、本人とご遺族の心情や生活の立て直しに配慮し, 抑制をするべきではないでしょうか。そうした検討をなさるおつもりはありませんか
■特定少年からぐ犯を除外する理由について
・18歳、19歳という区別などなく、少年は全て要保護性に基づく処分が必要だというのがこれまでの少年法の趣旨でした。司法の現場に携わる人々からは、ぐ犯とする家庭裁判所の司法手続きは選択肢として極めて有効であり、セーフティネットの役割を果たしているという指摘もあります。今回の改正は、特定少年の要保護性、ぐ犯によるセーフティネットは不必要ということなのでしょうか
・特に女子少年にはより切実な問題があります。ぐ犯の女子少年には、虐待の被害者やそれに関連した種々の深刻な外傷性の精神疾患を有する者が少なからずいます。特定少年からぐ犯を除外することは、精神医学的な視点からも非常に重大な問題があるとの指摘があります。それでも除外する理由は何でしょうか
・特定少年には不定期刑も適用されなくなります。少年は成長発達の途上にあり、教育による更生や改善が期待されるからこそ、幅のある刑期で柔軟な対応を可能にしているのが現在の少年法です。特定少年も本人の個別事情に応じた処遇により、教育、更生の可能性が高まるはずですが、これを否定する確固とした知見などはあるのでしょうか
・不定期刑の適用が除外された場合、有期刑の上限は30年になります。18歳、19歳の特定少年が長期間の刑に服した場合、社会復帰を著しく困難にしかねませんが、法務大臣はそうした事態を容認するのでしょうか
・特定少年については、社会復帰をした後、仕事を探す際、資格制限排除の特例が適用されなくなります。これによって、罪を犯した特定少年の将来の選択肢は狭められてしまいます。資格制限に関する少年法の規定は、資格制限からできるだけ早く少年を解放して、本人の更生を助けるという趣旨でした。法務大臣、もはやそうした配慮は不要とお考えなのでしょうか
■日米首脳会談の成果について
・日本は台湾の安全にどうコミットメントをし、どのような手段でこれを達成しようとしているのですか。ウイグル自治区には具体的にどのような人権問題が存在すると考え、どのような手段でその解決を求めますか
・尖閣周辺の海域で中国公船の活動が活発化しています。この地域で有事が発生した際、アメリカは必ず日米安全保障条約を適用しますか
・また、アメリカに助けてもらうために、菅総理はアメリカに対して何らかの約束をしましたか
・日本は今後、どのようなチャンネルで、どのようなことを目指し、中国との関係悪化を防ぐつもりですか
■新型コロナウイルス感染症対策について
・日本国民全体に行き渡るだけのワクチンはいつ届きますか。医療従事者への接種、高齢者・高リスク者への接種が完了するのはいつですか。そして、一般国民への接種が開始されるのはいつからで、集団免疫を獲得するのはいつになるのですか
・ただでさえ、先進国のなかでは最もワクチンの接種が遅れているのがわが国です。お示しいただいた通りの日程でワクチンの接種が進まなかった場合、菅総理は政治的にどのような責任をとりますか。失敗した場合、内閣総辞職の覚悟があるかどうか
・3月21日に全国的に緊急事態宣言を解除した後、「第4波」が急拡大しており、ついに3度目の緊急事態宣言の発動に追い込まれそうです。これについても、菅総理はどう責任をとるおつもりか
■東京オリンピック・パラリンピックについて
・今回の首脳会談で、アメリカは選手団を必ず派遣すると約束はありましたか
・バイデン大統領を開会式などに招待しなかったのでしょうか
・日本の感染状況が問題ないのであれば、各国の選手団とともに、諸外国の要人も自信を持って招待してはどうかと思いますが、そういうおつもりはないのか
・万一、感染が収まらず、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されているような状況だったとして、本当にオリンピックを開催するのですか
・外国選手団などを経由して新たな感染が国内に蔓延した場合、また逆に外国のお客様に国内のウイルスをまん延させた場合、オリンピック・パラリンピックは成功といえますか
・そうなった時、菅総理の責任は総辞職に値するのではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか
【参本会議】川合参議院国対委員長が少年法改正案について質問
https://new-kokumin.jp/news/diet/2021_0423
2021年4月23日の国民民主党HPより転載
川合孝典参議院国会対策委員長(参議院議員/全国比例)は23日、参議院本会議において、「少年法等の一部を改正する法律案」について質問しました。質問内容は以下の通り。
少年法等の一部を改正する法律案に対する質問
国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
私は、会派を代表し、ただいま議題となりました少年法等の一部を改正する法律案について質問致しますが、まずその前に本日、決定される緊急事態宣言に関して菅総理に2点伺います。
まず「まん延防止等重点措置」の政策効果について質問します。東京や大阪などでは、これまで「まん延防止等重点措置」が講じられて来た、にも関わらず、僅か1か月余りで緊急事態宣言を再発令せざるを得なくなりました。このような事態に直面し、菅総理は、鳴り物入りで導入した「まん延防止等重点措置」の政策効果について今、どのように評価しておられるのかを伺います。
次に緊急事態宣言の再発令にあたっての補償のあり方について菅総理に質問します。政府はこれまで感染拡大リスクが高いと言われる業種に対して、時短営業や休業を、要請ベースで行ってきましたが、企業・店舗も生き残りのため、今も営業継続せざるを得ない状況に置かれています。中途半端な対策では感染拡大防止の効果が得られないことは、これまでの対策結果が物語っています。期間を区切って、事業規模別の休業補償を行うことを前提として、時短営業や休業の指示を徹底することで緊急事態宣言の実効性を高めるべきと考えますが、総理の認識を伺います。
それでは、少年法等の一部を改正する法律案の質問に入ります。
公職選挙法や民法における成年年齢の18歳への引き下げに伴い、今般少年法改正案が提出されましたが、ここで18歳及び19歳の者を新たに「特定少年」と位置付けることが提案されています。来年4月1日の改正民法の施行によって、18歳及び19歳の者は、親権に服さず、その行為能力が認められることになります。成年として認められた以上、その行為能力に見合った責任を負うという考え方は、国民にとって理解しやすいものであり、成年年齢引き下げの趣旨とも整合しているものと考えられています。
しかし一方で、20歳未満の者に対して定められている未成年者飲酒禁止法や未成年者喫煙禁止法等の規制は今後も継続する方向で検討されており、全ての法律が横並びで成年年齢を引き下げているわけではありません。私は、それぞれの法律が律する目的や趣旨を法律毎に個別具体的に検討すべきであると考えます。そうした視点に基づくと、本法案が18歳及び19歳の者を少年法上の少年と位置付けているにも関わらず、「特定少年」として大幅な特例を認めることは、少年法本来の目的である「少年の健全な育成を期する」こととの間に法体系上の不整合を生じてさせることになるものと考えます。またその結果、法改正後の運用上、混乱を招くのではないか、と危惧しています。少年法の理念を守りつつ、「特定少年」をどのように取り扱うのかが今後問われることとなります。そうした観点から以下、質問します。
まず、現行少年法の理念及び評価について伺います。現行少年法は第1条で、少年の健全な育成を期す、という目的を定めています。この健全育成の理念が設けられた理由と、この理念に基づき、これまで18歳及び19歳の少年の処遇を行う上で、現行少年法が果たしてきた機能に対する、法務大臣の認識を伺います。また、少年法第22条第1項は「審判は、懇切を旨として、和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならない。」と定めていますが、この理念は、特定少年に当てはまるのか、法務大臣に伺います。
次に、全件送致主義を維持すること、についてお伺いします。
本法律案では、「特定少年」も従来からの少年と同様、犯罪の嫌疑がある限り、全件を家庭裁判所へ送致するという、全件送致の枠組みを維持することとしています。この措置について、法制審議会ではどのような議論が交わされ、この結論に至ったのかを法務大臣に伺います。次に、特定少年に係る逆送規定の対象の拡大について伺います。本法律案では、特定少年について、検察への原則逆送の対象となる事件に、死刑、無期又は短期1年以上の懲役、禁錮に当たる罪、を加えるとしていますが、具体的にどのような罪が新たな対象となるのか、また、昨年における18歳及び19歳の犯罪の中で、新たに原則逆送対象事件の範囲となる一番多い犯罪類型について法務大臣に伺います。
次に、特定少年に対する保護事件から「ぐ犯」を除外する、ことについて伺います。ぐ犯少年とは、犯罪に結び付くような問題行動があり、要保護性は高いものの、犯罪に至っていない少年を指していますが、本法律案では、特定少年を保護事件の対象から除外することとしています。要保護性が高い「ぐ犯」を対象外とした理由、近年の少年保護事件における「ぐ犯」の割合、そして「ぐ犯」の事由としては何が多いのか、法務大臣に伺います。
次に、特定少年に関する資格制限の在り方について伺います。資格制限の特則は、少年の教育可能性を重視し、広く更生の機会を与え、社会復帰を容易にすることを目指すものである、とされています。しかし本法律案では、特定少年が刑
に処せられた場合には、資格制限の特則を適用しない、としていますが、その理由を法務大臣に伺います。また、この特則の適用を除外した場合、どのような資格取得が制限されることとなるのか、具体的にお答えください。
平成29年12月15日に閣議決定された「再犯防止推進計画」では、刑務所出所者が求職活動を行う上で資格を有していないことが、「就労の壁」となっていることから、法務省には、罪を犯した者等の就労促進の観点から、需要が見込まれる業種に関し、資格取得の制限の在り方について検討を行うことが求められています。仮に、特定少年に資格制限の特則を適用しないとした場合であっても、資格制限の在り方の検討を行い、その者の就労を促進することが再犯防止につながるのではないかと考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
次に推知報道(いわゆる実名報道)の禁止の解除について伺います。
本法律案では、特定少年が公訴を提起された後は、推知報道の禁止を解除するとしています。現行少年法で少年に対する推知報道の禁止規定が設けられてきた趣旨と、本法律案で特定少年について解除することとした理由について法務大臣に伺います。また、特定少年に対する推知報道が解除される具体的なタイミングもお答えください。
次に、第5種少年院についてお伺いします。本法律案では、これまで、第1種から第4種までだった少年院の区分に第5種少年院を追加し、一定の条件下で保護観察に付された特定少年を収容することとしています。このような制度を設ける理由及び特定少年はどのような場合に収容されるのか、その手続を含めて法務大臣に伺います。
次に、施行期日についてお伺いいたします。本法律案の施行期日は、令和4年4月1日とされており、既に1年を切っています。18歳及び19歳の少年の取扱いをこれまでと大きく変えるのであれば、その趣旨や具体的な変更点などを現場の矯正・保護施設の職員にも十分周知をして、特定少年の取扱いの適正性を確保する必要があると考えられますが、法務大臣の見解を伺います。
最後に今後の保護・矯正教育のあり方について質問します。私は、今回の法改正によって、少年法上の判断基準の多くが20歳から18歳へと引き下げられることに伴い、この機会に保護・矯正教育のあり方やその対象年齢を見直すべきと考えます。諸外国では、成年年齢を18歳とする一方で、20歳を超えても裁判所の選択により、少年に準じた特則を若年犯罪者に適用するといった取り扱いを行っている事例が数多くあります。少年犯罪者の処遇の実質に着目し、より幅広い年齢での保護・矯正教育のプログラムを構築すべきと考えますが、この点について法務大臣の見解を伺い、質問を終わります。
少年の健全育成が困難に 山添議員 少年法改定案を批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-04-24/2021042402_04_1.html
2021年4月24日の赤旗より転載
来年4月の改正民法の施行で成年として扱われる18、19歳について、20歳以上と同様の刑事手続きにかける対象事件を拡大する少年法改定案が、23日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の山添拓議員は、同法が目的とする「少年の健全な育成」を困難にすると批判しました。(要旨)
山添氏は、「少年事件は1980年代以降、減少し続けている。凶悪事件は1%程度で、凶悪化しているわけでもない」と述べ、現行法は有効に機能していると指摘。改定の必然性がないのに、「成年年齢引き下げと同時施行にこだわる官邸・与党の意向の下に法改正ありきで進められた」と追及しました。
上川陽子法相は「指摘のような意向や方針の下で進めたものではない」と強弁しました。
山添氏は、成人と同様の刑事手続き(検察への送致=逆送)にかける事件の拡大について、「強盗でも、万引きで捕まりそうになって店員を突き飛ばした場合など、行為の態様や結果はまちまちだ」と強調。「罪名のみで判断し、逆送事件を増やすのは、家裁調査官による丁寧な調査や教育的処遇を困難にする」と批判しました。
素行不良などで将来犯罪を起こす可能性があるとして家裁に送致する「虞犯(ぐはん)」からの除外も問題視。保護処分を受ける少年には、虐待など厳しい環境で育ち、少年院が「育ち直し」の場となる者も多いとして、「立ち直りの機会を奪う。求められているのは厳罰化ではなく支援強化だ」と主張しました。
4月23日、参院本会議。
少年法等の一部を改正する法律案を議題とした。
上川陽子法務大臣より趣旨説明を聴取した。
自民党の磯崎仁彦氏、立憲民主党の真山勇一氏、公明党の伊藤孝江氏、日本維新の会の清水貴之氏、国民民主党の川合孝典氏、共産党の山添拓氏が、菅義偉内閣総理大臣、上川陽子法務大臣に対して、それぞれ質疑を行った。
共産党の山添拓氏
本法案は選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、民法の成人年齢が18歳とされたことより、18歳、19歳にも成人と同様の刑事罰を科すべきだという議論が契機となったものです。
しかし、法律の年齢区分は、それぞれの趣旨や目的により決められるべき。
18歳選挙権は若い世代の政治参加と…(省略)。
事件を起こした18、19歳の厳罰化を図る内容。
成人年齢が来年4月に20歳から18歳に引き下げられるのに合わせた措置。
参考
[少年法等の一部を改正する法律案] 4月20日、少年法改正案が衆院を通過 18、19歳厳罰化、逆送対象を拡大
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/481144819.html
[少年法等の一部を改正する法律案] 3月25日、衆院本会議で少年法改正案が審議入り 18、19歳の厳罰化
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/480739519.html
[少年法等の一部を改正する法律案] 2月19日、少年法改正案を閣議決定 18歳 19歳は「特定少年」と位置づけ
http://hazukinoblog.seesaa.net/article/480112905.html
ラベル:少年法改正案