G7首脳オンライン会議 菅首相 東京五輪・パラ開催への決意示す
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210220/k10012877661000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_023
2021年2月20日のNHKニュースより転載
G7=主要7か国の首脳によるオンライン形式の会議が開かれ、菅総理大臣は、新型コロナウイルスのワクチンを各国が共同購入する国際的な枠組みへの拠出を2億ドルに増額することを表明しました。
また、ことし夏の東京オリンピック・パラリンピックを開催する決意を示し、各国に支持を呼びかけました。
G7=主要7か国の首脳による会議は、日本時間の19日夜11時すぎから、オンライン形式で開かれ、菅総理大臣やアメリカのバイデン大統領らが初めて参加しました。
この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルス対策について「去年9月の総理大臣就任以降、一貫して、国民の命と暮らしを守るという強い思いのもと、昨年来の経験から多くのことを学び、最善と考えられる対策を講じてきた」と述べました。
そのうえで「さらなる感染収束に向けた決め手となるのがワクチンであり、途上国も含め、公平なアクセスを確保することが不可欠だ」と述べ、G7として、保健分野での保護主義に反対すべきで、普及を加速していくことが重要だとして、各国がワクチンを共同購入する国際的な枠組みへの拠出を2億ドルに増額することを表明しました。
東京五輪・パラ開催に向け支持呼びかけ
そして、ことし夏の東京オリンピック・パラリンピックについて、菅総理大臣は「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催する決意だ。安全・安心な大会を実現するため、IOC=国際オリンピック委員会とも協力し、準備を進めていく」と述べ、大会の開催に向けて、各国に支持を呼びかけました。
対中関係 日本の基本的な考え方を説明
一方、菅総理大臣は、中国との関係について、主張すべきは主張し、中国側の具体的な行動を求めていくという日本の基本的な考え方を説明し、東シナ海や南シナ海での一方的な現状変更の試みについて懸念を示しました。
菅首相 東京五輪・パラ実現に“G7の首脳全員の支持を得た”
菅総理大臣は、G7=主要7か国の首脳によるオンライン形式の会議のあと記者団に対し「新型コロナ対策を中心に議論を行った。日本の感染状況や対策を発表し、評価を得ることができた。感染収束の決め手となるワクチンについて、公平な形で配分させることの重要性について議論し、その方向で一致した」と述べました。
また、東京オリンピック・パラリンピックについて「ことしの夏、人類がコロナとのたたかいに打ち勝った証しとして、安全・安心な大会を実現したいということを私から発言し、G7の首脳全員の支持を得ることができた。大変心強いと思う」と述べました。
そして「初めてのG7首脳との会談だったが、普遍的価値観を共有する、それぞれのリーダーとして『ポストコロナ』を含めて団結していこうということで、大変、力強い会合だった」と述べました。
一方、記者団が、初めてG7の首脳による会議に参加した感想を質問したのに対し「それぞれの首脳とは電話会談をしてきたが、映像で全員一緒に長い時間、映っているので、何となく親近感を得ることができた」と述べました。
G7 首脳声明の内容
G7=主要7か国の首脳によるオンライン形式の会議のあと首脳声明が発表されました。
首脳声明では、新型コロナウイルスに打ち勝ち、民主的で開かれた経済と社会の強みを生かして、2021年を多国間主義のための転換点とし、人々と地球の健康と繁栄を回復するために取り組むとしています。
そのうえで、新型コロナウイルスに対する保健分野の協力を強化するとして、WHO=世界保健機関と協働し、ワクチンの開発と展開を加速させるとしています。
また、ワクチンの製造能力を増大させるために産業界と協働するほか、変異したウイルスの情報共有を向上させるとしています。
そして、G7全体で、各国がワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAXファシリティ」などに75億ドルの支援を行うとしています。
このほか、新型コロナウイルスからの回復は、すべての人々にとって、よりよい回復でなければならないとして、地球温暖化対策の国連の会議「COP26」などに向けて、パリ協定に従って、グリーンな変革とクリーンエネルギーへの移行を実現するとしています。
さらに、開かれた経済と社会を擁護して、世界経済の強じん性を促進し、信頼性のある自由なデータ流通に基づくデジタル経済を活用し、改革されたWTO=世界貿易機関を中核として自由かつ公正なルールに基づく多角的貿易体制に協力するとしています。
そして、すべての人々にとって、公正で互恵的な世界経済システムを支持するため、特に中国のような大きな経済を含むG20諸国に関与し、非市場志向の政策や慣行に対処するための共同のアプローチを協議し、重要な世界的な課題に取り組むため、協力するとしています。
最後に、6月のイギリスでのG7サミットで、こうした優先事項についての具体的な行動に合意することを決意し、新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の結束の証しとして、ことしの夏に安全・安心な形で、東京オリンピック・パラリンピックを開催するという日本の決意を支持するとしています。
丸川五輪相「東京大会開催の支持 意義深い」
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、東京都内で記者団に対し「菅総理大臣が、新型コロナウイルスに人類が打ち勝った証しとして東京大会の開催を行うことへの決意を表明し、この決意を支持する首脳声明が出された。国によってそれぞれ感染状況が異なる中、希望を、夏の大会に結び付けていこうということがG7の首脳から示されたことは大変意義深く、私たちも勇気づけられた」と述べました。
G7首脳によるオンライン形式の会議が開かれ、菅総理大臣は、新型コロナウイルスのワクチンを各国が共同購入する国際的な枠組みへの拠出を2億ドルに増額することを表明した。
またバラマキか。
また、今年夏の東京オリンピック・パラリンピックを開催する決意を示し、各国に支持を呼びかけた。
G7首脳テレビ会議
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/page1_000934.html
2月19日、午後11時から約90分間、菅義偉内閣総理大臣は、G7首脳テレビ会議に出席したところ、概要は以下のとおりです。今回の会合は、本年のG7議長国英国の呼びかけにより開催されました。会合後、G7首脳声明が発出されました。
菅総理大臣より、G7首脳テレビ会議に初めて出席し、G7首脳との間で、新型コロナに対するワクチンの公平な普及、将来の感染症への備えに向けた国際協力等について活発な意見交換を行いました。G7首脳間で、ポストコロナの国際秩序づくりにおけるG7の連携が確認されました。
菅総理大臣より、就任後一貫して国民の「命」と「暮らし」を守るとの強い思いの下、経験から多くを学び、最善と考えられる対策を講じ、明らかな効果が出ていることを紹介しました。ワクチンは更なる感染収束に向けた決め手であり、公平なアクセスの確保や、ワクチンの普及を加速していくことが重要である旨指摘した上で、日本はCOVAXファシリティを重視し、その途上国支援の枠組みへの拠出を増額し、合計2億ドルを拠出することを表明した点を強調しました。
菅総理大臣より、中国との関係について主張すべきは主張し、中国側の具体的な行動を求めていくとの日本の基本的な考え方を説明しました。また、東シナ海、南シナ海での一方的な現状変更の試みについての我が国の懸念についてもしっかりと伝えました。
菅総理大臣より、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を開催する決意を述べ、安全・安心な大会を実現するために、IOCとも協力し、準備を進めていく旨発言しました。日本の決意に対し、G7首脳からの支持を得て、この点が首脳声明に明記されました。
[参考1]G7メンバー
日、米、英、独、加、伊、仏、EU
[参考2]
成果文書(仮訳(PDF)https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100151243.pdf/英文 (PDF)https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100151244.pdf)
参考資料
G7首脳テレビ会議
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/page1_000934.html
令和3年2月19日 G7首脳テレビ会議
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202102/19tv_kaigi.html